稀有な経験をさせてくれた作品。
(この先の文章は作品自体の感想ではなくかなり自分語りが入っているので、そういったものがお気に召さない方は読まないことをお勧めします。)
私事になるが、自分には感動して泣いたという経験がほぼ皆無であった。
名作、感動作と銘打たれたものに触れてもまったくと言っていいほど泣かなかった。
映画、ドラマ、小説と言ったエンターテインメントから音楽、絵画、演劇、ドキュメンタリーその他もろもろのものすべてにおいてそんな調子だった。
そんな自分を号泣させたのが本作である。
数多の人々の涙腺を崩壊させたと言う月宮あゆルートのクライマックスシーン、
「ボクのこと忘れてください」
……まぁ、ぶっちゃけてしまうと過去同様の場面に現実に立ち会ったことがあるわけで。
想いは未だ薄れず、それでも別れざるをえず、そうして告げられた別れの言葉が、
一言一句同じだったりするわけで。
二十歳を過ぎてようやく感情移入というものを知り、だだ泣きしたわけで。
これだけでも自分の中では最高ランクの作品。
残りの1点は更なる感動への期待を込めて、ということで。