決して恋愛至上主義的作品ではなく、ほろ苦いストーリー多め。だからこそ恋愛の良さを再確認させてくれる良作。
久々によいゲームでした。
人間の恋を手助けする天使。
その代行をすることになった主人公は今まで遠ざけていた恋愛に密に接することになる。
というあらすじから「最後にかならず愛は勝つ」ハッピーエンドな恋愛至上主義的作品だと
予想してプレイしましたが、見事に裏切られました。
本作は恋愛の持つ残酷さに迫った作品です。
作中のほとんど全ての人が恋愛をしていますが、それらは多くの障害に囲まれています。
立場の違い、三角関係、容姿、同性愛、性的相性、理不尽な別れなどがそれです。
彼らは二者択一に迫られ、かならずしも恋人と寄り添う道を選ぶわけではありません。
ですが、どんな選択をしたとしてもそれは相手を真に想っているからこそ。
困難に直面しながらも懸命に相手を思う人の心の強さ。それが恋愛の良さなのだと感じました。
良かった点
・キャラクターが魅力的
特に幼馴染の奈木崎奈留子がすごい良かったです。
活発なキャラですが、目立つようなインパクトのあるキャラではありません。
むしろ地味なくらいです。
ですが、ただ主人公の側にいるだけの独特の優しさ。これが絶妙でした。
また主人公も良かったです。
ネガティヴキャラは愚痴愚痴をねちっこいあまり好きではないタイプが多いのですが、
ネガティヴでありながらも冷静で淡々としている良主人公でした。
本当に好きな点が多いため、各々はPOVで書きます。
惜しかった点
・ボーカル曲の使い方
9曲も収録されていますが、
そのほとんどがエンディングで1回流れて終わりのためもったいなく感じました。
・ヒロインの共通部分での影の薄さ
ヒロインの一人、みなもが専用ルート以外では割と空気。
たまに現れては嫌味を言って去っていくキャラになりつつあります。
また、久賀 百合も基本的に地味かつ放課後はすぐに帰るため、出番が少ないです。
どちらも専用ルートではすごく魅力あるキャラなだけに残念です。