ロックンロール ですよ
久しぶりに良い作品に出遭った気がします
瀬戸口氏の最後にして最高傑作
SWANSONGやCARNIVALとはまた一風違った魅力を感じました
前半は兎に角爽快なで「青春」の二字がしっくりするテキスト
会話シーンや日常に全く冗長無くサクサク読める これも瀬戸口氏の才能の一つだと思います 瀬戸口氏はこれまで所謂狂気系と言われる様な作品を書いていたのですが、日常シーンの描き方も秀逸でした 稀に挿入されるギャグなんか含めて
後半は各ヒロインに背負わされた世知辛い現実との戦いが展開します
鬱シーンも多めで前半にあれだけ楽しい描写を書いているので一層身に染みるものもあります
きらりルート以外はバンドとは余り関係ない方向へと展開していくけど樫原、千絵姉共に巧く纏まってるなぁと
どのヒロインにも共通に父親や母親の事情が絡んできます
主人公の父親も実の父親では無い、という少し普通とは違った負い目になる様な設定が良い伏線になって、銘々の個別ルートで上手く活かされているなぁと
きらりルートはきらり生存だと大団円、個人的にはハピマニエンドも好きでした
流石にきらり死亡は読めませんでした 人間の負の感情の描写は瀬戸口氏の得意分野と言いますか、主人公の葛藤が伝わってきました
ライブでの演出や沢山のボーカル曲、男女共に個性的なキャラが沢山居て作品を惹きたてます
実際にバンドを経験していないのでバンド経験者から見ればご都合主義に映るかも知れませんが個人的には充分楽しめました