前半の3つの物語が特に面白かったです。
最初に出てくるCASE1-3がそれぞれ個性があり飽きることなく楽しめました。
自分がプレイした順番が2→3→1となっております。
CASE2は王道作品で、シェイクスピアを題材にヒロインオリヴィアと劇で人気になっていく話となります。オリヴィアが特に可愛らしく、気丈にふるまいつつも後半は立場から別な彼女の一面も垣間見えてよかったです。彼女を奴隷から解放するため交渉し、脚本家としてお金を稼ぎ、時に劇のメンバーを指導する主人公が格好良かった。
CASE3は少年の夏休みを利用した一つの物語というまた好みの設定となっており、すももの明るい元気な姿に癒されました。エッチシーンがどちゃくそ良かった。
CASE1が個人的に一番面白かったお話で、主人公が避けていた元先輩の作家さんに感銘を受ける話となっております。その中でその作家の娘さんである凛ちゃんが親に対してどう考えているのか、同じものを感じた主人公に対しての接し方、それを受ける主人公の心情描写などが見てて楽しかったです。今回は波多野秋房に自分を重ねている主人公が描かれておりますが、序盤から凛ちゃんを意識している時点でどこまで進んでも波多野にはなれなかったんじゃないのかなと思います。自殺についてもじわじわと絶望していた波多野と比べると人生に水分がなかったとはいえ、あるイベントで一気に絶望した主人公などただの感情の振れ幅の範疇でしょうし、波多野の自暴自棄とは種類が異なると感じました。
こちらもおまけの足コキがとてもエッチだった。
ラストの話は上記3種の話がなぜ出ていたのかなどを世界設定と合わせて説明されており面白かったです。
ただ少年編あたりや記憶を戻した主人公の話自体は好きなんですけど、オチが自分には合いませんでした。
その後人々がどのようになっていったのかが描かれていないことが、主人公達が選んだ選択肢が正しいのかどうかはっきりしないためなんだかすっきりせず、本当に彼らの犠牲が住民たちをよい方向に導いたのかがぼやけている印象を受けました。合わせてやはり奥さんの背景があったとしても世凪をあんな目に合わせたことを許すというのが理解できなかった。
作品全体としてはうまくまとまっていて、考えさせられることもあり良かったです。