緊迫感があって面白かったです。
主人公に対する幸せが不幸へのフラグとばかりにどんどん突き落とされていくその姿に同情しつつ、どの方向にもっていくのかワクワクしながらプレイできたため高揚感を伴って進めることができました。
キャラがそれぞれ贖罪を持っており、トゥルーにて自分でつかめる妥協点を無視してでも2人を選ぶ選択肢をとる英士くんと妹筆頭に変わっていくそれぞれの想い。特に灯さんが紡いでいるヒーローの姿勢をゆるぎちゃんが見せてくれるところで何とも言えない充実感が生まれて温かい気持ちになりました。
個人的に紫子ちゃんのシーンが一番心に残っており、トゥルーに入るまで意識していなかったキャラでしたが、最期の言葉一つ一つが心にしみてしばらく忘れられなさそうです。
誰にも感謝されず、命の対価に少しの自由しか与えられなかった女の子。紫乃ちゃんの希望で無我夢中に生きた彼女がどうして救われなかったのか。本人としては自分で泣いてくれる人がいる。自分に同情してくれる人がいることで救いを見出したようだが、あまりにも救いがなさすぎる……と激情を感じましたが、そこはどうしようもない。むしろ沈みゆく彼女に主人公の涙を見せてくれただけでも良かったです。