真面目にバカをやるMay-Be SOFTの(個人的に)出世作。箒星氏のテンション操縦術が光る傑作。
現在では、May-Be SOFTをバカゲーブランドとして認識している人が多いと思います。
今作は、テンションとノリをもってパロディギャグとエロをお気軽に楽しむ
あかざ×箒星によるバカゲーの芸風を確立した作品であると言えます。
May-Beの魅力は、テンションの高さを大事にしつつも、きちんと制御していることが伝わることです。
この「制御」が非常に難しく、またモノモノを傑作たらしめている要因ではないかと思います。
この「制御」が具体的にどういうことかというと、
ギャグシーンの切り口だとかまとめ方だとかの場面の構成に関することが1つ。
そして、ギャグを通じて表現されるキャラ性であったりします。
キャラの性質や考え方の範疇内で暴れさせていること。
これにより、読者をしっかり笑わせながら、キャラを壊さないどころか際立たせることができています。
だから、2分前までバカをやってたのに、気がついたら少しシリアスになっている、なんてことができる。
真面目な巻子に違和感を「覚えなかった」のは僕だけではないと思います。
これって、なかなか簡単なことではない。
箒星氏の手腕に脱帽です。
ここからは、僕の趣味が合ったというだけの話になります。
メノウルートでは、本当に感動してしまいました。
さんざん笑わせてもらったこのゲームで、こんな展開になるなんて露ほども思わなかったです。
この点が、モノモノが僕の中でパトベセルを上回ってる理由になります。
この作品は、
物語の構築とキャラクターを立てることをしっかり守りながらも全力暴走するという、
ハチャメチャなんだけどその実意外と理性的な「真面目におバカ」な傑作です。