面白かったです。キャラのセリフの途中でコロコロ表情差分が変わる演出が良かったですね。他にもそういうのはあるんですが、 実際のセリフと表情変化のタイミングがあってなかったりするのも多いので、とても丁寧に作られているように感じられました。 女の子もかわいいし、お話も王道でわかりやすい。しかし、物語として情報を読み手に開示しすぎてる部分がある気がしました。 結果、展開がわかりやすすぎてワクワクドキドキ感が足りなかったかなと。
だいたい一言感想+αなのですが、せっかくなので各点について詳しく書きます。
・キャラのセリフの途中でコロコロ表情差分が変わる演出、とても丁寧に作られている
これすごくいいですね。読んでて聴いててすごく楽しいです。
メッセージウィンドウが話してるキャラの目の前に来てくれるのもわかりやすいです。
スクリプトさんが、心を砕き体に鞭を打ったさまが伝わってくるようです。
おそらくですが、かなり大変かつ時間のかかる作業だったと思います。
ALcotの中の人、グッドジョブです!
・女の子もかわいい
個人的に絢乃が大当たりでした。
あやのんかわいいお(*´ω`*)
内気な女の子がヒーローを目指して頑張る、という物語も僕の好みのドンピシャでした。
あやのんと天下一品に行きたいです。
・物語として情報を読み手に開示しすぎてる
例えば、絢乃編だと「ヴァルキリー=鷹音」の図式を明示するタイミングが早すぎるような気がします。
いや、まあバレバレだからいいじゃんっていうのはそうかもなんですけど。
ちょっと読み手側に様々な事情を察させすぎといいますが、
物語を俯瞰できすぎるというか、
主人公視点から切り離しすぎというか。
そんなこんなで、少年漫画的熱さのようなものを感じる展開が多いのにも関わらず、
ちょっと淡白に眺めることになってしまったところがあるかなーって気がしました。
あやのんが「お姉ちゃんなの!?」と迫真の勢いで迫る中、
「まあですよねー」ってなればまだいいのですが、
「ようやくここまできたかー」となってしまうのが本作です。
「ヴァルキリー=鷹音」の図式が既に開示されている情報として受け取ってしまうために、
場面の機微を損なう結果になってしまったような気はします。
もう少し読者に不親切にしてもいいかなと。
そのくらいの方が却ってワクワクすると思います。
ここから+α
・主人公イイキャラね!
晃太郎君いい主人公ですね。
性欲と理性のバランスがよくて、見ててストレスが少ないです。
たまに程よくヒヨりますが、締めるところは締めてくれるので安心できます。
・体張ってくれる悪役って大事ね……
全体的に非常にストレスの少ないゲームであった本作ですが、結構なストレスだった点がひとつあります。
それは、多くの場合ラストバトルが、「VSキャサリンに操られている味方」という図式にあった点です。
ルイ編では「VSキャサリン操る巨大ロボ」だったので、これは良かったのですが
他のルートでは、諸悪の根源であるキャサリン自身が戦いの壇上に上がってくることはありません。
ストレートに言うと、ラストバトルで対象を倒しても爽快感が無いんです。悪は滅びた! って感じにならないんです。
主人公が殴って悪役が倒れる。この図式って結構大事なんだなぁと。
悪役が体を張ることって大事なんだなーと思いました。ムスカは偉大。
・まとめると……
丁寧にわかりやすく作ってありますが、親切さゆえに熱中度や爽快感に欠けた作品でした。
しかし、主人公をはじめキャラの魅力と作りこみ、演出は優秀なので、
攻略キャラが気に入ればかなりアベレージはあるゲームだと思います。