エウシュリーの中では完全に駄作。ゲーム成分が主でシナリオ成分の評価はほとんどありません。
エウシュリーの中では駄作。正直2週もすればおなか一杯である。前提として1主人公を2週とエクストラ要素はクリア済みである。
まず今作の主人公の数だが・・・なんと6名。W主人公の3倍の人数である。そして主人公ごとにシナリオが用意されている。この時点で察していただけると思うがシナリオはレンコンよりもスカスカである。元来1人分に割かれるべきシナリオを6で割ったのだ。当然キャラどうしの掛け合いなど片手で足りるほどで面白みがない。さらにゲーム要素も主人公ごとにこれといった差別要素も薄く、やることはただひたすら作業といった感じだ。挙句シナリオが6分の1、かけあいも6分の1となれば1主人公のプレイ時間も6分の1である。筆者は1週目が7時間で終了したことを付け加えたい。
ではゲーム要素のほうはどうなのだろうか?いくつかのジャンルに分けて説明したい。
まずは難易度。キャラクターごとに難易度が変動しているがそれは割愛。だが言えることは序盤が最も鬼畜で終盤がヌルゲーというゲームの定石に真っ向から刃向かう仕様だ。なぜそうなるのか。
まず最初から6主人公全員が海域に出て活動しており壮絶な椅子取りゲームが要求されるのだ。戦国ランスで例えるならゲーム開始食後からあらゆる勢力が同時に2~3正面作戦を繰り広げている状況と言えばいいのだろいうか。そして移動以外のあらゆる行動に必要となる資源の獲得には土地の制圧によるターン事の収入が必要になるため序盤であればあるほど戦局が安定しないのだ。逆に後半は敵対勢力は少ないため資源収入が安定し、難易度が下がる傾向にあるのだ。
そして資源は難易度に直結する要素でもある。その理由の1つ目が船の強化だ。海路を移動する際には船で移動するが、序盤は行動力が低いうえに強化状況のせいで通行不能なところやダメージを受けるところがそこかしこに散らばっているのだ。そのため逃げたくても逃げられない、逃げ切れない状況が発生し序盤・中盤でのリセットが多発するのだ。
2つ目がユニットの回復にも特定の資源がふんだんに使われることだ。仮に1軍団が全滅したとすれば完全復活の為の要求資源は3桁になる。そして序盤で3桁の出費は相当に痛いのだ。全滅からの復帰のみを考えれば10回も持たずに資源が枯渇するペースである。軍団を失うということは領地の要を失い制圧される。制圧されれば毎ターン事に入ってくる収入が減少し、枯渇する。収支のバランスが崩れ、行動不能。リセット行きとなる。当然軍団を育てるには戦闘以外には実質ない。戦闘をせずに鍛える方法も存在しなくはないが、序盤では望み薄なので使い物にならないのだ。
救済措置めいた商船も存在するが、序盤はそもそも出会うこと自体が難しい。資源の交換レートも支出2~3に対して入手1という厳しい数字であるためあてにならない。以上の理由から序盤ほどカツカツであるため難易度が高いのだ。正直この難易度をもう5人分やれと言われたら間違いなく投げ出したくなるレベルだ。
次に戦闘システムなのだが・・・文章にすると非常に煩雑かつ超長文になるので手短にまとめる。
前提として1軍団=上限6部隊ということを頭に入れておいていただきたい。
まず基本的に軍団戦、甲板戦、砲撃戦、遺跡戦の4種類の戦闘区分が存在し、それぞれ被害規模や立てるべき戦術が異なる。それに加え陣形が6種存在しこれにも有利不利があり戦闘終了までその効果は継続する。さらに3人ルールというものが存在するため1・3・9人部隊という区分が存在し、これもジャンケンのように有利不利が存在する。当然の如く近距離ユニットと遠距離ユニットが存在する。そして魔法があり範囲、対象、効果時間、効果規模が異なり、チャージという概念が存在する。挙句エウシュリーお馴染みの「創造破壊」や「魔物・人間殺し」といった要素が入る。
書いている筆者でさえ文章に起こすと混乱するような内容だが、これを完全に生かし切れているのだろうか?と問われれば答えは「ノー」である。結論から言えば1・3・9人部隊をバランスよく軍団に組み込み、陣形に気を付けていればごり押しするだけでいい。要素を増やしに増やしまくった結果何もかもが中途半端という典型であろう。これならば類似システムの過去作「魔導巧殻」のほうが圧倒的によくできているくらいだ。
ここまでの総括をしたい。シナリオはスカスカ、ゲームバランスはおかしく、システムは煩雑。負の三重奏が見事に決まり3週目をやる気力を完全に削がれてしまった。ゲームとして崩壊していないのが救いといったくらいだろうか。クソゲーではないが完全な駄作であると言わざる負えない。