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toukaiwollyさんの正しい性奴隷の使い方 -暗黒大陸開拓記-の長文感想

ユーザー
toukaiwolly
ゲーム
正しい性奴隷の使い方 -暗黒大陸開拓記-
ブランド
アイリスフィールド
得点
70
参照数
3224

一言コメント

エロは薄め、イベント莫大、ゲーム性はそこそこ

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

とりあえず1週目クリア。バージョンは1.01です。ストーリーはあってないようなものなのでほぼ割愛。

このゲームはSLGパートと戦闘パート、イベントの3種に分かれるためそれぞれについて記述する。

【SLGパート】
このゲームのSLGパートでやることを一言にまとめれば、 明かりを設置することで視界範囲と安全領域を増やして、そこに建物を建てて資源と奴隷を増やして国土強靭化しましょう。 である。文章でまとめると長く冗長になるため箇条書きに近い形でまとめる。

・ゲーム内時間の速度倍率を設定できる。倍率は1・2・3・5倍である。
・聖光源なる明かりを設置すると視界と安全領域が増える。聖光源は唯一の資源でもあるがそれの塊と考えれば分かりやすい。また聖光源は破壊されない限り消えることはない。
・明かりの範囲外は僅かな範囲しか視界がなく、施設も設置はできるが魔物の攻撃で破壊されやすい。
・聖光源の設置、施設の建造には聖光源(資源)を配分し、奴隷(人員)を使って行う。実際に人員が指定座標まで移動する上に建造にも時間がかかる。
・聖光源及び施設の建造時間は割り当てられた人員の数と聖光源及びその施設の数に依存する。
・人員にはノーマルとロイヤルの2種が存在し、ロイヤルはノーマルの100人分に相当する。
・聖光源除くすべての施設は維持コストが存在し、収入よりも支出が多くなりそうor多くなる時は警告が出る。
・資源も人員も使い捨てであり消耗品である。
・資源、人員共に増やすためには女の子(ヒロイン)を娼館で一定時間以上働かせる必要があり、搾精(聖光源)か妊娠(奴隷)業務のどちらかに就かせる。これは随時変更可能である。
・ヒロインを増やすためにはダンジョンを発見し、そこに奴隷を派遣することによって得られる報酬でのみ獲得できる。ヒロインは消耗されないため1度獲得すればOK。
・ダンジョンではそれ以外にも武器、防具、魔法、施設情報が獲得できる。施設情報は獲得すると新規施設を建造することが可能になる。
・急速に発展すると 滅びの『現象』 なる敵が発生し、聖光源及び施設を破壊しに来る。戦闘で勝利するか聖光源を多大に消費することにより撃退可能だが、戦闘での勝利はほぼ不可能。
・クエストが存在しそれをクリアするとプラスのメリットを受けることができる。クエストは3種存在し、その全てが戦闘系である。

【問題点】
・聖光源がないと本当に真っ暗。ダンジョン探しなどが極端に難航する。
・聖光源の設置、施設の建造時間が最終的に極端な時間になる。(ゲーム内時間で50分、実時間で10分以上になることもザラ)
・建造のための人員配分バランスが滅茶苦茶。割り振れるのはノーマル奴隷1~99人とロイヤル奴隷0~99人のみ。ロイヤル奴隷はノーマル奴隷の100人分だがノーマルを100人以上振ることはできない。
・ロイヤル奴隷の獲得率が低い。確認できた最高確率で20%であるが体感的にはその半分以下である上その頃にはロイヤル奴隷の需要が非常に高く、焼け石に水である。結果筆者のデータではロイヤル奴隷が1桁~3桁序盤なのに対し通常奴隷が数万の世界である。一応妊娠業務に全振りも可能だが資源収入が赤字になる。
・以上を踏まえ筆者のゲーム時間の20%近くは建造のための待ち時間になった。

【戦闘パート】
 このゲームでの戦闘要員は実質1人である。中盤~後半にかけてもう1人増えるが同時操作はできない。システムは公式サイト等を見ていただければ分かるので割愛させて頂くがver1.01環境下では1点のみバランスが狂っているところが存在した。
 それは 「特定の戦い方をすればラスボスすら楽勝」 なのだ。書いてしまえば衣装を【セックスシーフ】にしてアビリティを【狙閃短剣技】【スロウタガー】【蹴撃】【回避の構え】【狙撃の心】【応急修理】にしたうえで速度特化させ、仲間を回復役で固めればれば敵はまともに行動すらさせてもらえず地に沈むのである。
 理由としてはクリティカルが発生すると例外なくランダムの行動に遅延(一時停止)を与えることができるのだ。そのため攻撃密度に特化した戦い方をすれば、行動のほぼ全てが停止させられ何とか発動出来た行動も回避されるという敵からすれば悪夢以外の何物でもないスタイルの完成なのだ。武器防具には耐久が存在し、0になれば大幅に与ダメが減るが速度特化による応急修理により、1度の戦闘に限れば体力の続く限り戦い続けることができるというチートっぷりである。
 あと特筆事項があるとすれば成長システムが非常に独特である。5種類の衣装が存在し着用している衣装にのみ戦闘経験値が渡されるのだ。1レベルごとに【衣装ごとのステータス】と【全衣装共通のHP】がランダムに上昇する。そして衣装5レベルごとに全衣装共通でありこの戦闘システムでは最重要な【フィジカルリソース】が1ポイント付与され、それをスキルに割り振っていくというシステムなのだ。また同じアビリティでも装備する武器の強さによって必要リソースポイントが増減することも付け加えてておこう。終盤になれば特定ダンジョンで衣装の強さを維持したまま衣装レベルをリセットするアイテムが手に入るためやろうと思えば極限まで強くなることも可能だ。

【イベント】
 エロは非常に薄味。これは前作の時点でそうだったため致し方ない。だが前作と同じくキャラ同士の掛け合いイベントが非常に多い。キャラ数は筆者が確認した1週目時点では全26キャラ+主人公。そして自身を除き全キャラに対して1対1の会話イベントがヒロイン同士では4回、対主人公では5回以上存在する。そのためフルコンプしようと思うと最低でも2630回のイベントを閲覧しなければならないという冗談みたいな事態が発生するのだ。そして掛け合いイベント発生の為には【同一パーティに入れて1戦闘行う】ことである。前作でもそうだったが頑張りすぎじゃありませんかね・・・?そしてこれをこなさないと仲間は使い物にならないという始末。当然筆者はフルコンプしていません。挙句ヒロイン発掘のためには狭い視界の中真っ暗なフィールドを延々と歩いてダンジョンを発見し、人員を送り込み、見つけてきてくれることを祈るしかないのだ。もう疲れたよ・・・。

【周回要素】
一応上限こそあるがラスボス戦で残った消費アイテムと装備一式、衣装の強化具合、仲間の性能は引き継ぐことは可能。だがクリア時に残っている聖光源、人員、施設に関しては一切の引継ぎなし。2週目をプレイするくらいなら1週目を徹底的にやり込んだほうが精神衛生上はいいかと思われる。

【総評】
前作同様そこそこのクオリティで出来上がっている。4桁もあるイベント数には熱意も感じられる。が、所々バランス調整ミスが散見できる。イベントを全て見ないのであれば30時間ほどあればクリアできると思うので暇つぶしには最適かと。