色んな視点から「忠臣蔵」という話を見て、考えられる珍しい昨年
私は「忠臣蔵」という話は全然知らない状態からのプレイでした。
1~3章までが同人、4と5章が製品版からというものだか、普通の作品なら大体が3章の現代に帰還という所で終了し、感動的な作品ということで終わっているだろう。
しかしこの作品は、そこからさらにもう一段階踏み込んできた。この作品ではいわゆる「悪」とされている吉良家の視点、そして逆に「善」とされている赤穂浪士の隠された部分を暴いていく。これは「忠臣蔵」という元の話があるからこそ出来た話であり、そこに目をつけ踏み込んだことに感心し、この点数に直結した。
様々な作品で「善悪の基準とは?」という疑問を持った主人公たちがいただろうが、この作品ではそこを詳しく書かれている。世の中の視点からすれば赤穂浪士は英雄であり「善」、そして吉良家は「悪」である。しかし吉良家やそれを信仰する者には、赤穂浪士は一学の言う逆ギレしたテロリストのようなもので「悪」あり、吉良家は「善」である。両者の意見は相容れないものであり、決して交わるものではない。しかし、そのなかで両者の視点を見せ、どちらかが善悪であるという考えを片寄らせないようにする。私はそこがとても気に入っている。
ここまでこの評価をしていて、なぜ100点ではないのか。それはラストの江戸崩壊阻止の場面に少し違和感のようなものを感じたからである。正直、良いとも悪いとも言えない感が否めなかった。確かに熱い展開であり、忠臣蔵の後の大地震にまで目をつけた部分は凄く良い。だが、かといってあそこでカグヤ(だったかな?)が呪いを使い大蛇を召喚するのはなんとも微妙感が私はあった。かといって、そうなるとどうオチをつけるのかが難しくなるのでなんとも言えない...
まぁそんなこんなでも評価はこの通り高得点なので名作であることには変わりないので、ぜひやってみてほしい。
最後に...名演技をしてくれた声優さんたちにも拍手!そして何故新八トゥルーと小夜√をつけなかったんだ...!(涙目)