本編各ヒロインのショートストーリーが主な内容でFDにしてはかなりのボリュームがあるのですが、中には本編をそのままなぞったダイジェストのようなものもあって何か水増し感が漂っているのが残念。そして・・・
それでもクリア後のアフターも本数だけは豊富で制作陣としてはかなり頑張った内容といえます。
ただこのFDの目玉といえる女勇者と女ルカート・男リーザの登場に関しては、このゲームの特徴であるハチャメチャ感を増強させるといった点では効果的だったものの、主人公であり実質的なメインヒロインである女ラスティの魅力を味わうといった点では逆効果に働いてしまったような気がします。特にリーザに関してのキャスティングに対しての不満が大きく、なぜ本編リーザ役の民安ともえ氏に性転換後も担当させなかったのか不思議でなりません。
まあTSものにおけるキャスティングの難しさというのは理解できないこともありません。特にこのFDの場合勇者役やルカート役の男性声優に女性に転換した後の声を担当させるというのはギャグとしてはアリでも、真面目なシーンやHシーンで演じさせたとすればキモいという感想で埋め尽くされることになるでしょう。
ただ本当ならば性転換したからといって持って生まれた声質まで変化するというのは、ぼく的には正直疑問が残るのです。だからせめて女性声優に男性の声をアテることくらいはしても良かったように思えてならないです。まあ制作陣が民安氏に性転換後のリーザの声をアテさせるのは無理と踏んだのなら仕方ありませんが。
ただセシリア役の風音氏が男女とも違和感無く演じられていてそれがセシリアというキャラの魅力に繋がっているところを鑑みれば、性転換したからといってわざわざキャストまでも変更する利はなかったのではないかと思うのですね。
まあこれは制作者側の考えもあるでしょうし、性転換したのだから声も変わるのがこの世界の慣わしと言い切られては押し黙るしかないのですが、ぼく的には性転換するキャラは女性声優に一人二役?させる方がベターな気がするのですね。だから本来なら本編の女ラスティ役の小倉結衣氏に男ラスティも演じてもらいたかったくらいであり、民安氏にハードな責めキャラを担当させても充分だったと思うのです。大体土台キャラが性転換するというほうがムチャなわけですから、それくらい変に思いませんって(それを言ったらおしまいですが・・・笑)
(おまけ)
さて次回作のふたりはマイエンジェル☆もこのゲームと同じTSものという趣向なのですが、やはり性転換前と後で声優をわざわざ変えています。こうしたところを見ると本編の感想で述べた「TSを薬籠中のものにしているクラウド」という言は訂正しなければならないかなと考え直さなければいけないかなと思っている次第。まあこれについてはいろいろな意見があるのでしょうけどね。