ひたすら受身な主人公のおかげで新たな道が見えました。
複数のヒロインが主人公を取りあうということなのですが
ドロドロとした人間関係が劇中ずっと展開されるわけでもなく
ノリのいいギャグを交えたコミカルな通常会話シーンは非常に楽しめました。
特に冒頭の5日連続で一人一人、ヒロイン全員と初体験を済ます部分では、
ヒロインの主人公と結ばれたいという願いと他のヒロインへの嫉妬、
主人公の己の置かれている立場と行動に対する葛藤などが上手く表現されており、
H度も高く読み応えのある内容となっています（非常に唐突である感は否めませんが）。
エッチシーンはCG枚数こそ多くないものの、テキストの量が多く濃厚になっていますが、
主人公がほぼ受身という珍しいシチュエーションが多いので、
受け入れられなければあまりよい印象は受けないかもしれません。
もともと主人公のことを好きではなかった三人「佳央」「遙奈」「枝絵留」が
主人公をなぜ好きになったのか書かれていない点（話の展開上触れるべき部分だと思うのですが）や、
重要なキャラである中谷恭一の音声が無い点、ゲームのプレイ時間がある程度長い割には、
ラスト付近での展開がやや急というか無理やり話を纏めようとしているように感じる点などが、
やや不満に感じました。
最も違和感を抱いたのは最も重要な主人公の声。
フルボイスなのはいいのですが私は馴染めなかったので即行でOFFにしました。
総じていい作品だとは思うのですがやや練り込みが足りなかったような気がします。
個人的には遙奈ルートのラスト付近での佳央とのやりとりや、
愛生ルートのラスト付近（作中で唯一スレッジハンマーという単語が出てくる場面辺り）が、
非常に印象的でした。