4部作+αを味わい尽くせた
18禁版未プレイだったためこちらで初プレイ。
【シナリオについて】
ここまでシナリオで魅せる作品は久しぶりに出会った。世界線跳躍による未来改変モノは先駆作があることで定式化がなされてしまっていることから差別化が難しいはずだが、当作では「並行世界も活かす」と言う点にミソを仕込んだことや能力バトルものの要素を上手く当てはめたことで差別化が図れている。
また、こうした作品は矛盾や論理破綻、ごまかしがあると一気に萎える要因となるが、4部作+αにわたる長編にもかかわらずそういったものは見えずキッチリ説明しきっていた。
そのため、読み進めながら考察することが楽しかったし、泥沼からの脱出はこれしかないと思える結末を導き出したことに大いに感銘を受けた。
章が進むごとに謎が明かされていくというストーリーの性質上、1章の九条さん√は大して謎の解明がなされず割を食ってる感があったが、新章でそこはある程度救済されたかな?
18禁版プレイしてないのになんだけれど、Hシーン挟んでたら間延びしてもどかしかったと思えるくらい先が気になってしょうがなかった。Hシーンみたけりゃお気に入りのヒロインだけでも18禁版後から買ってもいいしね。
【音楽について】
主題歌がどれも素晴らしい。米倉千尋というビッグネームを呼んできた以上失敗は許されなかったはずだがいずれもアーティストとストーリーにふさわしい楽曲だった。
劇中BGMについて、シリアスシーンにはもっと重々しい曲を用意しても良かったのではないか?と思ったほかは概ね満足。クライマックスでのDEAR MY WAKERは会心で鳥肌モノだった。