シリーズ2作目。膨大な数のキャラクターが織りなすストーリーの完成度は前作を凌ぐ
「カラノショウジョ」シリーズの2作目となる本作は、ある田舎の一集落をとりまく因習をめぐり、前作までの登場人物に加え新たに多くのキャラクターを迎え、物語が進行していく。前作の時点で登場人物はかなり多いほうだったが、今作はそんな前作をはるかに凌ぐ多さである。それでいて、それらの膨大な人間関係を非常に丁寧に描き切っている。過去と現在の視点を往復するストーリー展開と、それを利用した人間関係描写の巧みさは、本作の完成度をシリーズ随一のものとしていると感じた。ラストの演出は非常に印象深く、当時からシリーズを追っていた人間はここから8年待たされたのだと思うと、筆舌に尽くしがたいものを感じる。1作目を少しでも面白いと思ったのであれば、是非とも手に取ってみてほしい。