シナリオは割と面白かったが、アクションは作業。バルドシリーズ既プレイならやるべき。
シナリオ。
マルチエンディングだがトゥルー(?)+サブキャラ10人分。従来のバルドシリーズのゲームシステムとは違い、広大なマップでクエストをクリアしていく形。シナリオとしての分量は非常に少なく、サブキャラ専用クエストの最終盤と、トゥルーエンドルートに偏っている。
サブキャラは過去のバルドシリーズの世界のその後(?)のような舞台の人たち。色々な意味で、シリーズの終わりを感じさせるもので、どれも素直に興味深いものだった。
今までシリーズで積み上げてきたロジックを使いながら、謎に覆われた今作の舞台を解いていくのは、やや強引ながら、ならではの面白さを感じた。過去作、特にSKY1・2、HEARTをやっていないと面白さは半減する。
エンディングは割とオマケ。バルド世界の最後、成り立ちを噛みしめたい。
アクション。
問題はこちら。いわゆる、今までのバルドとは違う部分。
このゲーム単体で評価すれば、また違った感想も出てくるであろう(それでもつまらないと思う)が、シリーズを重ねてきた最終作が、戦闘の工夫の余地を減らすようなシステムとなったのは非常に残念である。長々書くと欠点はいくらでも出てくるが、書き連ねると
・広大なマップに対して異様に動きが遅いシュミクラム
・大量沸きするザコ敵のせいで弾幕ゲーになり下がった
・単調なクエストをひたすら繰り返す作業
などなど。
シナリオとアクションのバランスが、今作は明らかに「アクションの中にあるシナリオ」である。アクションが面白ければまだ救いようがあっただろうが、作業ゲーでは評価が厳しい。
ゲームシステム全般として、ソーシャルゲームの影響を感じさせる。折しも発売直後にバルドの(新作)ソーシャルゲームが発表された。このゲームがその踏み台であるという議論は、ここではしないが。
登場人物。
メイン1+サブ10。それぞれのヒロインに明確な意味があった過去作とは違い、サブキャラのエンディングはメインに強いつながりがあるわけではない。好きな子は見ると面白いかも、くらい。
シナリオの分量が少ないが、それぞれの心情描写はちゃんと書けていると思う。
絵師がバラバラであることも特徴だが、双方で絡みがあまりないのでそこまで気にはならない。
BGM。
今回のBGMは虚無をイメージさせた。雰囲気作りとして相変わらず出来は良い。OP、EDもよかった。
総合的な評価が難しい。
振り返ってシナリオは良かったと思うが、アクションがほぼ作業。ただアクションを削るとシナリオ分量の少なさが響く。
ソーシャルゲームはやらない人なので、面白い人には面白いのだろうか。バルド過去作をやったことない人には勧めない。