ErogameScape -エロゲー批評空間-

tomosibee3104さんのルリのかさね ~いもうと物語り~の長文感想

ユーザー
tomosibee3104
ゲーム
ルリのかさね ~いもうと物語り~
ブランド
ねこねこソフト
得点
80
参照数
787

一言コメント

2017作品とは思えないユーザビリティの低さ

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

 FANZAでねこねこ作品が500円作品に入るとは思ってなかったので即購入。ちょうど先月に「すみれ」を2000円ほどで買ったばかりだったので若干損した気もするがそれは置いておく。

 プレイを始めると2017作品とは思えないUIに驚愕する。クリックでボイス再生を止めないことはできないし、バックログからのジャンプ機能もないし、チャプタースキップもないし、ないないづくしである。が、このぐらいなら古いゲームで慣れたもの。
 しかし、右クリックでウインドウ消去、もう1回クリックでサブメニュー起動はいただけない。多くのゲームが右クリックにどちらかを割り振っており、コンフィグからこれらを切り替えできる作品も珍しくはない。ところがこの作品は右クリック1回でウインドウ消去、もう1回でサブメニュー起動。どう考えても悪いとこどりでしかない。しかもコンフィグから割当の変更もできない。ユーザーへの嫌がらせを疑うレベルで使いづらい。プレイ中ウインドウを消そうと右クック、戻そうと右クリックしても戻らずサブメニュー起動。作品中のバグといいデバッグを本当にやっているのか疑わしい。

 肝心の中身であるが、今どき珍しいぐらいにフラグ管理が謎な作品である。こういう作品は思うままに選択肢を選ぶのも一興と遊んでみると最初にルリルート2に入ってしまった。当時はその意味に気付かず、EDクレジットの途中で曲がぶつ切りになったぐらいの印象だった。次にルリルート1に入りようやく泣きゲーだったのかと理解。人によっては2を先にやって1で締めることを勧めるのだろうが、1をやらずに2の有り難みは理解できない。初めて2をプレイした時にはルリとのエロシーンもなく終わってノーマルEDかと思ったぐらいだ。ルリルート2に意味が生まれるのは1をプレイした後なのだと私には思われる。
 なおルリルート1にもエロシーンはなく、ルート3がギャグとエロを詰め込んだルートになる。

 佑咲ルートは佑咲のエロシーンをモチベにプレイ。cv唯香はおにきんの妹尾ゆきがツボだったのだが他に惹かれる作品が少ないのもあってちょっと嬉しい。とてもアラサーとは思えないキャラデザもあってお世話になった。
 依知子はキャラデザも特別好みではないのでプレイせず辞めようかと思ったが、他者様の感想でルリ以外のキャラの意味を知って最後までプレイ。終わった今では投げ出さなくて良かったと思える。シナリオとしては一番刺さったかもしれない。

 内容は良い、ボーカル曲も良い。しかしUIが悪い、バグが多い、小学生低学年が高校生になっても立ち絵が変わらないなど気になる点も多い。フルプラ作品としては短い点が問題視されるが、500円作品とすれば短いプレイ時間は忙しい社会人にはむしろありがたい。大体そんな作品。

 しかしルリが起こしに来る時のリンボーダンスしてるみたいなCGはちょっといただけない。パンツを見せたいだけなのかもしれないが、構図がおかしすぎてなんとも言えない。