春夏とは形式を変えてきた作品
萌えゲーアワード10本1万円セールで購入。はるくるが500円セールで売られたり、DMMの1ヶ月やり放題でプレイ可能など、今作も500円セールに並ぶ日もくるかもしれないが、欲しいときが買い時。
はるくるとなつくるが実質1本道のストーリーだったのに対して、今作は4人目の攻略ヒロイン以外の攻略順は自由。このことによって、今までは各ヒロインごとのルートで判明しない部分があっても作品の途中だからと見逃されていたことが、今作ではヒロイン個別1つだと判明しない部分が多いと批判されたりもする。各ヒロインごとにルート1つ1つを完成品として考えると消化不良に感じられる人もいるため注意が必要。つまりは全ルートプレイしてからでないと評価するのは難しいということ。
また共通が長く個別が短い。その上ヒロインフラグがそれぞれ選択肢2つで確定する上に同時攻略も可能。恋愛過程の描写を大事にする人には向かない作品。ファッキン下ネタと、ファッキン量子力学の講義を楽しみたい生徒以外は回れ右を推奨。
プレイ順はキス→歩→柚月→沙織(沙織は最後で固定)
みはやとノアはストーリー的には無視して構わない。
以下ネタバレ含む
キスルート
唐突に事件が起こってドゥルキスが解説するルート。ドゥルキスの話を聞くのは面白いが、単に話の内容が興味深いだけで物語としては楽しめなかった。名言は多い。cvが最高に可愛い。ドゥルキスも可愛い。ドゥルキスとのエロシーンも欲しかったが、あくまでヒロインはキスでドゥルキスは違うということか。
「恋は重力」
歩ルート
ラブコメ…というよりエロ?コメでは一番笑えたルート。歩が自爆して号泣するのでたいへん笑わせてもらった。幼なじみでメインヒロイン?なのに本番シーンが1回だけで悲しくなった。あと性格がめんどうくさすぎて攻略すると株が下がる系ヒロイン。
「マ○コが怖いんじゃなくて、歩が怖いんだって」
柚月ルート
野外公開オナニーとかレベル高すぎ系女子。去勢に拘るため3シーン中2回はアナルセックス。WSPの正体は疑ってすらいなかったので相当驚かされた。一応エロシーンなのにBGMがギャグ調になったりと、BGMがコロコロ変わることに難を感じるルート。
「…幸せって覚悟が必要なの?自然となるものじゃないの?」
「必要に決まってるよ。…僕らが不幸になるのは簡単だからね」
沙織ルート
他3ルートを前提に伏線を回収するルート。
「ちはやんが私を選んでくれた宇宙に私はいる訳だよね?
他の宇宙でちはやんが浮気してるからって、
その幸運をわざわざ手放すわけがないと思う」
結局はサトリがちはやとくっつく宇宙を求めてさまよう作品…ん?「何処へ行くの、あの日」と似てるような?いや、もちろん違う点の方が多いわけだが。ただそういう観点で見ると何処あのの方が好みだったかもしれない。
不満点としてはサリ先生のエロシーンがないこと。なつくるのロリで釣られてファッキン作品に手を出すようになったファンはみんなガッカリしていると思われる。メイド服のCGまであるのにエロシーンがないとか未完成品扱いもやむなし。
ついでにみはやのエロシーンも2回戦を匂わせるなら体位を変えての2回戦突入で実質2シーン分ぐらい欲しかった。まあ予算とかの都合もあるから仕方ないのだろうが。
もう一つ、おま環かもしれないがサトリとサリの会話シーンでボイス音量が急激に小さくなる。その影響か一部サトリとサリのボイスも小さくなる。個別音量調整でどうにかなるようなレベルでもなく、実質一部声なしでプレイすることになり残念。
よくありそうな疑問と自己解釈。歩EDとキスEDで唐突に時が動き出す理由について。前提としてルルランの時が止まっている理由はサトリがルルランをそのように観測(定義)しているから。だからサトリの観測が終わればルルランの時は動き出す。ちはやがヒロインとくっついて、サトリと恋愛する余地がないとわかった時点でサトリは別の宇宙に希望を求めて移動するのだろう。
はるくるやなつくると比べて一見スケールの小さなあきくるだが、多元宇宙の話と考えるとそれほど見劣りはしない。エピローグでの「秋の、こういう、瞬間」が各ヒロインのEDとリンクしているのも多元宇宙を扱ったあきくるならでは。
ただ作品として秋である理由はいまいち伝わらなかった。一応考えられるとすれば序盤の歩とちはやの会話だろうか?
「わたしは紅葉ってあまり好きじゃないわ」
「終わりの綺麗だから」
「そういうのを綺麗だって思うのは不健全な気がする」
「この街は秋に終わったらしいわ。
冬になって終わることもできなければ、
春になって始まることもできないのよ」
「寒いのが苦手だから、葉を落として冬に備えてるだけだろ?
死に行くように見えるけど、退避して時間を稼いでるだけだからな」
「冬になるたびに死んでたら、生きる化石になれないんじゃないか?」
ふゆくるを出す前に、あきくるでブランド解散することになったすみっこソフトをルルランの状況とかけたのだろうか?すみっこはふゆくるを出さないまま、あきくるで解散するけど死ぬわけではないと。実際別ブランドでふゆくるは発売されたわけだし。
ただそういうメーカーの状況をして秋作品とするのは違和感もあるが。私の読解力では答えを読み取れず残念である。
どうでもいいことだが、9割方の宇宙でみはやの妨害を食らう設定なら、序盤の選択肢でみはやに好意的な方を選ぶとみはやルート突入とか罠があったら面白かったかも。ヒロインに好意的な選択肢2回でフラグ成立・同時攻略可能でこの設定は感覚的に受け入れづらい。プレイヤーの選択がない9割の宇宙がみはやの妨害にあって、プレイヤーの選択が入る1割が作品世界という想定かもしれないが、ちょっとわかりづらい。