どうしてこうなった。①やたらと主義主張するのに、肝心のキャラが成長しない魅力がないせいで説得力がない②安易な設定のアエリアルが近代兵器と同じ土俵にあがるせいで戦闘がチープなものに成り下がる
前作の勢いに釣られてプレイしましたが…、終わらせるのが大変でした。
以下勝手なイチャモンです。
・東郷シン:アエリアルという圧倒的なバックがあるのに関わらず、勝手な自己判断で耐える自分カッコイイな主人公。
・東郷シュウ:職業軍人。弟にはなんか色々いっているけど、自分のことになると空にしか生き場所はないとか言いはじめる人。
・工藤涼子:憧れの上官の後を追い続け、死に場所を捜し求める人。
・鹿島早紀:爛れた関係を言い訳に教え子に手を出す女。
・ケイト:視点転換以外に出番のない人。
・柏木りさ:ある意味唯一の大人かもしれない。おそらく主人公気質が一番あった。
・美咲未来:悲しみで耐えられない時は自分を肯定してくれる友人の胸を借りるくせに、最期までそちらは見ようとしない女。
・尾身俊紀:守ることばかりで傷つけることはできない、損な役回り。
・土屋満:感情操作が下手で、初戦でPTSD。
・マグワイア:己の勝手なシュミレート訓練のせいで学徒出陣を早めたとはいえ、本人たちが覚悟を決めて出征していったというのに、何故かクーデーターに参加しちゃうお茶目さん。
無論、各ルートによる成長が多少なりともないとは言い切れませんが、本文中に出てくるたいそうな啓発、思想にそぐうような魅力的なキャラはいませんでした。そもそもプレイヤーが作者のいう「大人」でないのなら耳の痛い話ばかりで受け入れられるのが難しいと思われるし、「大人」であるのなら、せめてゲームの中に求めるのは現実的な厳しさよりもエンターテイメントとしての救いではないでしょうか?
また緻密な戦闘描写があって、緊迫した状況が描かれているのに、アエリアルの存在がひどくミスマッチなものに見えてしまいます。
今どき命中率99%の全方向弾はないでしょう(笑)
従来の戦闘機、航空機や空母などに対する知識が豊富な故にかえって目立つという皮肉です。明らかに二足歩行型のロボという材料を扱い慣れていない感がバリバリでした。
では何故そこまで言いながら最期までプレイしたかというと、それは前作が良かったと思えるに他なりません。そこではきちんと歳をとりつづけても尚成長をし続ける、停滞はしない魅力的な「大人」たちがいて、中心人物たちを軸にヒューマンドラマとして昇華されていたからです。それはこの業界ではいささか珍しくも立派なエンタメでした。
最期に本作に戻りますが、正直あのまま主人公たちが生き抜いていくのは難しいように思われます。その場はしのいでも、アクアポリスで抱えていた問題というのは余りに多いと思われます。種の存亡を盾にやたら性欲云々を主張していた人たちは今後どうするのでしょう。共食いの根本的解決もままならない状態で星間航行を続けるだなんて、また一つ物語が起こってしまいそうです。
果たして遠い未来のフューチャリアンは人間だったのだろうか…?