力技の不条理なギャグ、行動的なアホだけど性格イケメンな主人公、安定のイチャラブと三拍子揃った作品。ただ今後のブランド展開に若干の不安を感じる部分もちらほらと・・・。
イチャラブゲーをやりたきゃsmeeゲーをやれ、と太鼓判を押せるくらい安定したブランドに成長。
反面、背景の使い回しや共通ルートの分岐の少なさ、イメチェン選択の削除など細かいところでの低予算っぷりが少々気になる。
今後の上記三要素に影響しなきゃいいけどなといらぬ不安を覚えつつ感想を。
共通ルートはいつも通りの不条理ギャグの連発。
別れ話にショベルカーで登場から皮切りに、犬の糞を振り回して鬼ごっこやあられない叫び声を上げるイグアナ、
愛娘をたたき売りする父親など相変わらずの初見回避不可っぷり。
特にオナホ関連はト書きでさえ爆笑レベルというまさにエロゲならではセンスが素晴らしい。
ただメールシステムだけは微妙。一問一答レベルの内容でシナリオの分岐も精々各ヒロインに一個程度。
おまけにテキストスキップを入れたらメールの返信・閲覧のタイミングも飛ばされるし。
使わなくても攻略に必要ないのならもっと別の部分に力を入れて欲しかったと思う。
以下、ヒロイン別感想
牧原 志帆
一歩上手な大人のお姉さんということで姉さん女房的な期待をしたのだが、
仕事中はわりと毒舌、プライベートは甘えん坊が目立つ印象が強かった。
あとこれは他のヒロインにも言えるのだが、個別ルート以降バイト先での舞台・イベントはかなり控えめになる。
そのため立場的にバイト先に比重がある彼女の場合、どうにも中途半端なイベント配分になったかなと感じる。
未だこの手のヒロインはみみみ先輩を超える逸材は現れないのか・・・。
紺野 彩里沙
一人暮らしルートヒロインその1。
教育ママに縛られた籠の中の小鳥かと思いきや、作中トップレベルのお馬鹿娘。
こんな斜め上な設定のヒロインはエロゲ界もかなりの稀有じゃなかろうか。smeeのギャグセンスの容赦なさに脱帽。
母親への反抗心と盲目的な恋愛思考で一人暮らしの男に入り浸るという中々向こう見ずな性格だが、
その一途さにいじらしさよりも危うさと背徳感を感じてしまった。そりゃ主人公の母ちゃんも否定的なスタンスを取るのも仕方がない。
唯一、妹と対立する上に平行線のまま終わるという部分も少し残念。この辺smeeらしくないなあと思う。
篠崎 あゆみ
大人しい子を大人しいままにさせない実にこのブランドらしいシナリオ。
周りから弄り倒され涙目になる姿にS心がむくむくと湧き上がり、献身的で真っ直ぐな思慕に心が洗われる作中一番の癒やしシナリオ。
唯一の文句は折角のロリ巨乳タイプならもっとHシーンで胸にむしゃぶりつくような感じのがあっても良かったかなあ、と。
あと部屋着の肩出しは妙にエロチックだった。なんか新しい属性に目覚めそうな気配。
道明寺 萌美
一人暮らしルートヒロインその2。
共通ルートではノリの良いムードメーカーでありながら、個別ルートでは家庭的な通い妻へランクアップ。
幼い姉弟の世話を焼くお姉ちゃんという部分と一人暮らしという舞台設定がギャップ萌えも加わり綺麗に嵌るのがこのシナリオ。
ニコニコしながら一人暮らしの男の部屋でせっせと料理をしてくれる姿に何度萌え転がったことか。
正月の家族への顔合わせの流れも秀逸。そりゃこんな彼女をゲットしたら家族にも鼻高々になるのも納得できる。
大人の力でねじ伏せた志帆さんと違って、持ち前の女子力で真正面から認めさせた点も素晴らしい。
個人的にはデート着&振り袖姿はポニーテールというのも高ポイント。着物で着衣エロがなかった点がとてもとても残念。
一ノ瀬 空
みみみ先輩といい、花穂といい、smeeの春日さん枠に外れなし。
今回それがついに幼馴染属性で来た、ヒャッハー!とプレイ前から期待大で真っ先に攻略。
smee幼馴染としては、告白の真っ直ぐないじらしさは千歳に、ギャグ面はひまひまに軍配が上がるがトータル的には空が1位。
こういう主人公と対等であけすけに物を言える幼馴染は大好物。これこそが相互理解のある幼馴染の真骨頂。
そしてエロゲ界でも結構貴重な主人公とお酒を飲める幼馴染。
酒を交わしながら諭したり、酔って独占欲丸出しになるなんてシチュはそうそうお目にかかれない。
途中のオナホイベントは個人的に今作一番の爆笑イベント。しかも滅茶苦茶いい笑顔、そしてイベント後はきちんと遺影と十字架が置いてあるという徹底っぷり。フレラバはCSに移植したみたいだけどこっちはどうするんだろうといらぬ心配をしてしまう。
ラジコンとして遊び回していた(ここも爆笑した)空が元カノ扱いし始めるあたりに彼女の心の変化と想いの深さが見て取れる。
最後の翔子の会話&恒例のエンディング前に入る過去の感情暴露大会を見ると、個別直前の空からの告白が別の意味に聞こえる不思議。
そしてトドメが初回限定のミニ音声CD、他ヒロインが励ましたり、諭したりする中で一人だけ妙に寄り添ってくれてる感がたまらん。
家に帰ってこんなこと言ってくれる娘がいたら、そりゃ誰でも堕ちるわ。
という感じで個人的には個別の出来に差は感じたが、総合的には文句なしの良作の部類。
しかし、エンディング後にエピローグがない点だけはどうしても納得出来ない。
フレラバの時にオルゴール調の曲をバックに「二人はその後も幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし」で程よい余韻があったから、
この部分はなおさらに不満が残る。
これはFDも作るフラグと見ていいんですよねsmeeさん。
コミケで出すミニFDなんかじゃなくて、同棲ラブラブルレベルの物をきちんと作ってくれええええええ!
イチャラブゲーメーカーならヒロインの未来をハッピーにさせて終わらせる義務があるだろう!
これで出さなかったら安定イチャラブメーカーから生殺しメーカーに格下げしてやる。