正統な続編ではあるが正統な進化とは言い難い点が残念。王道の匙加減に果敢に挑戦した作品とも言える。
成り上がり者のサクセスストーリーと溢れんばかりの巨乳エロという基本骨子できちんと組み上げられた本作だが、あえて厳しい言い方になるが、側(キャラ・声優)を変えただけの安牌作品とも言える。ただその骨子を微妙に取り違えた巨乳魔女よりは間違いなく面白い。
そういう評価になるのはおそらく(私も含めて)シリーズ経験者が、「一体どんな風にこの逆境を乗り越えるのか」というワクワク感と「どうせ最後には大逆転乙なんでしょ」というネタバレを食らったかの如くなやるせなさというある種の二律背反めいた感情があったからだと思う。
前作では元帥まで上り詰めて王座まであと少しという所での罠、という部分を候補者一時脱落、そして出生絡みでの投獄という二段構えにした上に出生の秘密という前作のハーレムエンドではある意味禁じ手だった要素を利用した点。
魔族にスポットを当てることで種族問題という新しい設定要素をシナリオ全般に散りばめた点など、読み手が退屈しないように煮詰めようとした努力が感じられる。
ただこの禁じ手、恐らくは神聖魔族へのミスリードを誘発する目的もあったのだろうと邪推してしまうが「乳揉み族」って何ですか。折角の暴露シーンが色々台なしだった。
では何故どこか焼き増し感が漂う結果に仕上がったかというと抜きゲ的要素、エロ全般との線引きが明確であり、シナリオがエロを喰うという可能性を限りなく排除しようとした結果なのだと思う。
普通の良いシナリオゲーは大体エロ:シナリオが2:8くらいなのだが、本作はエロ:シナリオが5:5、どちらも破綻なく両立させようと方向性が土台にあったからだ。
普通は80%、場合よっては90%~95%のシナリオ部分を50%で表現すれば自ずと限界があるし、何より書き手は「3行で表現出来るものは3行で書くのがプロでしょ」と考える鏡氏ならばこそとも言える。
そういう意味では前作では皆無に等しかった戦争(国防)という要素を入れたエリュシアルートは新鮮な面白さがあったが、戦争とその前後対応に話が割かれた巨乳シリーズをやりたいかと聞かれれば私的にはNOである。けどこれは言いたい。巨乳エルフバンザイ。
エロゲのエルフはスレンダー系ナイスバディであるべきだ。
本作は名作「エロゲ」・巨乳ファンタジーの初の正統続編ということ少し厳しめなレビューになったがもし続編があるならば是非とも新しい形にも挑戦して欲しい。
主人公をもう少し大胆に刷新したら面白そうじゃない?とか素人目には思えるけど。
お気に入りはエリュシア。
ダークエルフももちろん嫌いじゃないけど、金髪スレンダー系巨乳エルフ、しかもデレるのがわりとすんなりとなれば(自ルート時)全面降伏。
どこかねじ曲がりつつも一応ロードス島世代なので。
余談
姉キャラがリストラされたと知ったときはかなり残念でした。
「お姉ちゃーん」と甘えながら胸に顔を埋めるとか、逞しく成長した弟の(自主規制)に
流れた月日を感じつつもメロメロになる様とか想像するだけでクるんですが。