文句なしにシリーズ最高傑作。グランドフィナーレは待たせただけの価値があった。ただ最終ルートは途中の受け止め方次第で評価は変わると思う。
久々に「やり終えた」という感覚が強く残る作品だった。
前作を加えれば60時間オーバーと大作RPGと同じくらいの付き合いだから当然ではあるが。
今作は「バルドスカイ」という世界の確信に迫るシナリオだけに前作よりも緊張感のあるシナリオに仕上がっている。反面ヒロイン達も「複線に絡む役割」を果たす色が強くなっているのでキャラ付けも設定を超えない程度に扱われている印象だった。
亜季ルート
最後までダメ姉節全開という一番エロゲヒロインしているルート。
キーワードの一つ「方舟計画」がここで明かされる。まあ内容は予想の範囲内だったが。
フェンリルとの共闘、叔母の無償なる家族愛、そして亜季の献身さと全ルートでもバランスの取れた内容だと思う。
残念なのは散々引っ張った方舟計画が最終的な複線という意味ではあまり意味を成さなかったということ。
真ルート
最終舞台への複線を見せるはずが電波扱いされる不遇なヒロイン。
この辺りの見せ方はもう少し切り口を変える余地があったのでは?と思う。
「接続者」という今作品の最重要キーワードの内容が語られるが、反面真というヒロインそのものはぞんざいだったと思う。
過去から現在まで「先輩」の立ち位置だったのがプレイヤーからすればいきなり恋仲に!という展開は正直ガッカリ。過去から現在までアプローチしている菜ノ葉、千夏。
本編から現在進行過程でアプローチしているレイン、亜季。
真は最初から「敵」に加えて「正体不明(見てる側はバレバレだけど)」という要素が裏目に出た結果だと思う。
空ルート
個人的に注目していたのは「本編殆ど出番なしの状態で如何にヒロインとして魅せていくか」という事。ここにクゥを配置したのは必勝かつ定石の一手だ。
反面これは諸刃の刃でもある。
「空=クゥ」と見ればレインを凌駕するサポートっぷりにラストへの加速度的な展開も加わり十分に盛り上がれる。
だが「空≠クゥ」と見れば空は「悲劇のヒロインを演じ甲の必死の想いを袖にする奴」という切り離された評価になってしまう。そうさせない為の「世界0」であり、必死に甲との未来を願いノインツェーンと戦い続ける姿勢なのだろう。
私はどちらかというと後者に近い意見。
せめてラストバトルに追従するのがクゥではなく空だったら見方が変わっていたと思うが・・・。「共闘」ではなく「悲劇」を選んだ製作者側との趣向の違いといえばそれまでだが。
ただ、だからこそラストエピローグが生きてくるのも事実。悲劇から始まった少女の終わらない絶望とその果てに掴んだ幸福を見ると、どうしても胸にこみ上げる物がある。
個人的趣向を抜きにすれば、最終ルートの特にラストバトル周りの盛り上がりは半端じゃないレベルに仕上がっている。特にプレイヤーをシンクロさせる演出はDive1無印から始めた人にとってはこれ以上ないくらいである。加えてグランドフィナーレも素晴らしい。各世界のエピローグをきちんと描くことで後ろめたさゼロの清々しい気持ちで終えられる。待ち続けて良かった。プレイして良かったと心から言える作品である。
おかげで他の積みゲにはしばらく移行できそうない(苦笑)
ヒロイン別最終的評価
レイン≒空(クゥ補正含む)>亜季>>千夏>菜ノ葉≧真
それにしても今回の主題歌の歌詞は甲視点だと思っていたが、クリアすると空視点の方が正しい気がしてきた。まあ答えは人それぞれでいいと思いますけどね。
おまけ
戦闘について
一言で言えば「No more protect」
特に雑魚ではアドヴェントには苦労しました。奴ら固すぎ。
まあ一番ストレスを溜めたのは、地上接近戦特化でコンボを組んだが故に中々手を出せないアイビームだったってオチですが(笑)