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tomQさんの真剣で私に恋しなさい!の長文感想

ユーザー
tomQ
ゲーム
真剣で私に恋しなさい!
ブランド
みなとそふと
得点
80
参照数
743

一言コメント

大味なシナリオと割と多めなエンド数でもフルコンプ出来たのはキャラ立てとエロのお陰。大作思考にありがちな落とし穴に嵌っている感はあるがそれでも楽しめる魅力はある。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

エンド数という点では良い勝負な77は半分程度しか攻略してないが、本作は無事にコンプ完了。この差は何なんだろうなーと考えるとやっぱりキャラ立てと構成なのかなという結論に行き着く。

近年良く見られる「仲良しグループのドタバタもの」に武士娘要素を取り入れたのが本作。降りかかる難題にチーム一丸となってぶつかっていく様が胆といえるのだが、はっきりいって話の流れそのものは単純。典型的な「テキストは良いけどシナリオはイマイチ」の見本である。しかし腐ってもそこはタカヒロ氏。癖のあるキャラを投入する所か全力投下することでカバーが出来ている。加えて分岐後のシナリオをそれぞれキチンと分けることでダレることなく話を進めることが出来る。

そして何よりも予想外の収穫だったのがHシーン。
下手な抜きゲなんかよりも余程エロい。
かぐや主人公もビックリな連射性能に支えられた尺と、構図の見せ方の勝利。
燐月の頃にも幾つか片鱗はあったものの、カワギシさんは本作で大化けしている。
加えて、普段強気な性格揃いのヒロインがベットヤクザと化した主人公に好きにされるというギャップが良いエッセンスになっている。この辺りは百代が顕著だろう。

巷で豪華声優陣という触れ込みだが、生憎私はアニメは全く見ないので精々分かったのは勝平さんと若本さんくらい。しかも前者は表名義だし(苦笑)
故にパロネタ出されてもスルーしてるのが多いだろうなあ、ここは残念。

個人的にはタカヒロ氏はエロゲ界でも芽が出たジャンルを一気に定着させる「流行を生む側」のライターだと思う。姉しよで姉属性復古、つよきすでは強気・ツンデレ属性の定着化いう風に。以前レビューした「きっと、澄みわたる朝色よりも」の朱門氏とは真逆のタイプ。本作で武士娘属性がどれほどの開拓を見せるか。長い目で見てみようと思う。

ヒロイン
京=由紀江=百代>一子>クリス
京のセックスアピールは最早ネタレベル。だがそれが良い(笑)

シナリオ
百代>由紀江>クリス>一子>京
ええ、大乱闘モノが好きですが何か?
京はキャラ立てがシナリオのネガティブ面に影響されたことが非常に残念。
逆に孤高に晒された主人公を単身支えるという話ならぶっちぎりだったのになあ。

おまけとしてエロ
百代>(超えられないギャップ萌えの壁)>由紀江>京=一子=クリス

ヒロインルートでうやむやだった部分もトゥルーでしっかり描かれていたので全体的には十分に満足な出来です。