前作からの改善は見られた
○バトル
前作のBALDR SKY Zeroと比較して、射撃武器が強化され、バランスが改善されたように感じました
前作では格闘武器のみで雑魚・ボス問わず殲滅できましたが、今作では同時に出てくる敵の数が多く、格闘武器のみで戦うと囲まれて集中砲火を浴びてしまうため、射撃武器の活用機会が増えました
逆に、HPの高い少数の雑魚やボス相手には瞬間火力とアーマーゲージへのダメージが高い格闘武器のコンボが前作同様に有効で住み分けが出来ていると感じました
また、ボスが多数登場し、それぞれ攻撃バリエーションが多彩だったのには驚きました
不満を挙げるとすれば
・味方キャラクターが弾除けの機能しか果たしていない
・前作から武装を引き継いだ場合の開発余地が少ない
・無印のBALDR SKYと比べてオリジナルコンボを考えたりする楽しみが薄い
・シナリオに沿ったマップのバリエーションがあまり見られない
辺りでしょうか
今後に期待です
○シナリオ
今作は各キャラクターの設定がよく練られており
主人公やヒロイン以外のキャラクターが、それぞれ主人公として物語を作れそうなほど各キャラの設定が作りこまれているのはすごいと思いました
お気に入りのキャラクターは
グッドマン中佐、ウルセライ中将、ラサーヤナ、マクシーム大佐、カンヤラット少尉
その中でも
グッドマン中佐の「下士官が兵士たらんとするのはもっともだ。だがその反面、上官は人間でなければならない」云々のくだりや
ウルセライ中将の「中隊各員、これが終われば一週間上手い飯が食える」の台詞前後のエドとのやり取りが最高でした
こういった上司の下で働きたいと心から思いました
番外として、フリントの最終決戦前の熱弁もかなり印象的でした
ところで、エピローグでリーナがウルセライ中将の養子になるというエピソードがありますが、フリントとウルセライ中将の会話から察するに、リーナってもしかしてフリントの実の子供で、ウルセライ中将が過去に売り払った孫なんですかね?
マレルルートで多くのサブキャラクターが救済されたことはとても好印象でした
特にナンの救済
エドの根幹部分を作ったと言えるメイの最期を無印のケイルートで知り、今作のシゼルルートでナンが無残な最期を迎えるという結末を見た後だからこそ、マレルルートでのナンの救済は心に響くものがありました
ようやくエドは救えた、あるいはエド自身が救われたのか、と
前作と比較して、様々な面でよくなったと感じましたので当初は90点台にしようかと考えましたが、シナリオ面でかなり不満があるためその分減点しました
以下、不満や批判をだらだらと書き殴りますので、そういったことに不快感を感じる方はブラウザバックを強くお勧めします
さて、主な不満点は
・難解なテキスト
・主人公の数々の暴言
の2つです
・難解なテキスト
これだけバックログを多用したゲームは初めてかもしれません
まず、アムリタやSASといった独自の固有名詞や略称が多数登場します
その名前が最初に出てきた時に説明がありますが、その後に出てくる時は勿論「どういうものか分かっている」ことを前提に話が進んでいきます
1つや2つなら簡単に覚えられて特に詰まることなく読み進められるのですが、それがどんどん増えてくると訳がわからなくなってきます
しかも、それがどういったものか分かっていないと、またそれを用いた説明がわからなくなって負のスパイラルに陥ります
例えば、マレルルート終盤のリーナの
「LoFはミヨルニルによる活動を停止した後、ナノマシンをアムリタへと形質転換し、各モノステラとLoF全体を包み込んで繭を形成しています」
という台詞
最初読んだ時、イメージが全然わきませんでした
LoF・・・ああ、ムーシュのことか(←違う)
で、ミヨルニルといえば・・・水爆で何かSASが吹っ飛ぶやつね(←大事なのは今そこじゃない)
それから、アムリタは・・・ああ、何か人間を溶かしてネットの怪物にする銀の液体ね(←違う)
ということは・・・
ムーシュが水爆とネットの怪物にする変な薬を使って、自分を包み込んでる・・・
そうか!盛大に自爆しようとしているのか!!!(←ありえない)
・・・かなり変な方向に盛ってしまいましたが、それくらい一々思い出したり考えたりして一文一文を読まないといけないということを言いたかった次第です、ハイ
丁度、偉い先生方が書いた研究論文を素人が読む感じです
付け加えると、文自体も不思議なことになっているように見えます
主語に主眼を置いて文を分解してみると
「LoFは活動を停止する」「LoFはナノマシンを形質転換する」「LoFは繭を形成しようとしている」
になってしまう気がします
正しくは
「ミヨルニルは停止後、そのナノマシン部分がアムリタに形質転換しました。そして、それがモノステラおよびLoFを繭のように包み込んでいます」
ではないでしょうか
国語が得意というわけではないので、間違っていたらすみません
まとめると、「もっと読みやすくしてほしい」ということです
折角のヴィジュアルノベルなのですから、アムリタの時の様な図解をもっと多用すると良かったのではないでしょうか
ミッションプラン毎に簡易図解とかあるともっと分かり易く、盛り上がったと思います
・主人公の数々の暴言
前作から感じていたことですが、これが私にとって一番受け入れることができませんでした
フランを止めるために言った罵詈雑言がかなり酷かったです
この手のゲームの主人公が言う台詞とは到底思えません
陵辱ゲーに出てくる下衆い主人公なら全然アリだと思いますが、こういった物語の主人公としては断じてNOです
そして特に酷いと感じたのがシゼルに言い放った
「そんな体でなぁっ!」「子供なんて、できるわけねえだろうが!!!」
という台詞
これは酷いと思います
自分が想い、また、自分に好意を寄せてくれている女性に対して、その彼女自身がコンプレックスを抱いている部分を、こうも明け透けに、まるで鬼の首でも獲ったかのようにエドは言い放ちます
例えそれが悪意を孕んだ幻相手にだったとしても、これは有り得ない
こういう奴を指すためにあるのではないでしょうか
「最低」って言葉は
正直この主人公をメインに据えて、無印主人公の甲をサブ主人公的に出す、というような中途半端なことをするくらいなら、思い切って甲が主人公の過去編がよかったというのが私の本音
まぁ、ヒロイン数とか色々問題があるので実際は難しいでしょうけど、それでもこれよりはマシだったと思ってしまう程にこの主人公の暴言を吐く部分が嫌いです
そして、何より不満なのは
マクシーム大佐の女性版の立ち絵orCGが何故無いんだあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!