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tkktさんの女体狂乱プリンセスの長文感想

ユーザー
tkkt
ゲーム
女体狂乱プリンセス
ブランド
わるきゅ~れ
得点
75
参照数
327

一言コメント

基礎的な施術が反復になるのは仕方ないけど、その基礎の先にある応用的施術まで過去作の既出が大半を占めているのは残念だった。王女・異世界・恋人持ちといった各種設定も十全に活かせておらず、これぞロイヤル生ゴミと太鼓判を押せるシーンはごく少数に留まる。「人間の尊厳で遊ぶ」という原初の理念に、今一度、真摯かつ誠実に向き合った施術案をお願いしたいです。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

グラフィック(19/20)
 おしゃれ教室先生は相変わらず素晴らしい画力。表情差分も非常に多彩で面白かった。アヘイキ顔のみならず、諸々こらえている表情が下品で笑えました。あとはこの画力を活かして、一枚絵のインパクトだけで有無を言わさずに笑わされるような、そんなシーンがもっとあれば良かったんですが……絵の一撃で笑えたのは鎮魂化エンドのみ。あまりに寂しい。爆ぜ乙女クラスは高望みだとしても、せめてもう少し頑張れなかったのか。つまりまあ、おしゃれ教室先生は悪くないんですけどね。勿体無い。


ストーリー(34/50)
 端的に言えばマンネリですよね。シリーズを追いかけている人なら「もうそれ何回も見たよ」と思わず口にしそうな。一言感想でも書いたように基礎に当たるような施術(膣を拡張するとか、乳首やクリトリスを陰茎に変えるといった)に関しては仕方ないとは思っています。ゼロから始めるワケですから、いわばインフラ整備ですよね。これから沢山遊べるように公園に整地し遊具を建てるような工程に当たるワケです。
 なので問題はその遊具でどうやって遊ぶか、またその遊具を更に改造して如何に画期的な遊びを提案できるか。これに尽きますよね。そしてお察しの通り、その創意工夫が弱かったんですよね。筋肉増加エンドや、肉塊化エンドなど、新しい発想の物もあったんですが、やはり数が少なく、既視感の強い改造の方が大多数を占めてしまった。言い方は悪いけど「置きに行った女体改造」という表現が忌憚のない所です。
 とまあ、ここまで批判ばかりですが、対案も出さないのはフェアじゃないと思われるので、幾つか僕の視点からの改善案も提示したいと思います。まず一つ目はウンコですよね。以前にも書いたと思うけど、排泄物を有効活用するだけで、一気に幅が広がります。排泄の量や速度を弄れるのみならず、消化器ごと改造すれば、例えば、虹色に輝く7メートルの一本糞を作り出すことも出来ます。1メートルごとに違う色の層を織り成すクソデカグソとか、見たくないですか? コロナも収束するでしょうね、そうなれば。別段、僕自身はスカトロ系のプレイに執着があるワケではないですが、多様性を齎すという観点から見逃す手はないと思うのですが。
 もう一つが、世俗からの解脱を活かすということですね。上手く出来ていたのが鎮魂化エンドで、こういった改造をもっと増やしてはどうかという提案になります。どんな形であれ、極端に人の姿・理から外れた存在となると、それはしばしば神格を帯びます。特に日本人の感性では受け入れられ易いですよね。意思の疎通の出来ない巨大なオブジェクトや現象に畏敬の念を抱く感覚。惜しかったのは女神乳化エンドで、あれも人の手の届かないレベルまで改造して神格化するか、実際に嵐を食い止める改造にして英雄神となるのも面白かった。今のままだと爆ぜ乙女にあった乳島の劣化版の印象が拭えない。乳全体で王国全土を覆うシェルターのようになるとか、そういうスケールの案が欲しかったです。彼女の王族としての責任感や民を思う愛情深さといった設定を回収でき、更に他のシリーズ作品との差別化も出来たんじゃないかと。
 また、恋人設定も殆ど生きておらず、寝取られ(寝取り)煽りのエキストラ未満でしか出番が無い。爆ぜ乙女のように虫に変えられたヒロインとセックスしたり、もう少しアクロバティックに活用して欲しかったですね。或いは租チン設定を活かして、彼の方にも改造を施し、包茎の皮を伸ばして空飛ぶ絨毯に変え二人で駆け落ちするとかね。異世界っぽさも出せて一石二鳥ですよね。ていうか、そう、異世界設定も活きてないんですよね、今作は。ドラゴンとのキメラに改造して鱗から射精させるとかさ。放屁で上級魔法の詠唱が出来るようにするとかさ。もっと俺を笑かせよ。じゃなかった。もう少し設定の旨味を意識して作って欲しい。しかしそうなると、わざわざジパングとか出す必要性もなかったんだよね。むしろ改造した体で嵐の第二波に立ち向かうバトルタイプの方が遊び方無限大だった気がする。
 といった所ですかね。もう本当ウンコはした方が良いよ。どうしてもそれが嫌だと言うのなら他の部分で工夫を凝らすのも良いとは思うけど。正直今のままだとシリーズを重ねる度に、既視感が増していくばかり。そのマンネリ感を脱却したいが為に小手先の設定だけ捻ったって、それが施術案に結びつかないのなら、所詮はメッキでしかない。厳しい批評になったけど、実際、爆ぜ乙女を作れたチームなのだから、あの自由な発想力と「人間の尊厳で遊ぶんだ!」という強い情熱を今一度、と願ってしまうし、それが出来ると信じている。頑張って欲しい。


エロ(17/20)
 シーン数は35。絵も美麗だし、穴が有れば何とでもなるという人なら、多少なりは使えるのではないかと思います。卑語は無修正かつ超高頻度。竿役もそれなりに豊富で、逆にヒロインの方がモブを犯すようなシーンもあります。本番(どれを以って本番と言って良いのか定かではないのですが)の比率も結構高く、個人的には良い感じでした。


音楽(5/10)
 ついに主題歌がつきましたね。恥を知って欲しい。ア〇プロっぽいダウナーかつメランコリックなメロディラインと、作品内容を表した歌詞と、中々にクオリティは高いです。BGMに関しては特筆すべき点は無し。


合計(75/100)