ErogameScape -エロゲー批評空間-

tkktさんのシスターレッスンの長文感想

ユーザー
tkkt
ゲーム
シスターレッスン
ブランド
ましゅまろそふと
得点
71
参照数
249

一言コメント

「らぶこみゅ学」なる変態学習要綱を何とか話に絡めようと躍起になっていたけど、正直微妙でした。この設定や学園生活(日常描写)に尺を取られ過ぎて、肝心のエロシーンのボリュームが足りないという本末転倒な状態。抜きゲーの分際で非エロCGが各3枚ずつあるし、実はキャラゲー寄りの物を作りたかったのかも知れない。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

グラフィック(17/20)
 やや面長の輪郭に爆乳の立ち絵は姉らしくアダルティーでしたが、一枚絵になると少し丸めの顔になり、可愛らしさも感じられます。服装差分に関しては平均的な数かな。年増+学生時代の体操着など、個人的に欲しい所もあり嬉しみ。しかしまあ、何をおいてもMVPは「塗り」でしょう。テカテカツヤツヤで、常にローションつけながら暮らしているのかと思いました。非常にエッチでした。


エロ(36/50)
 凜華6、空6、陽鞠6、絢果7、実里7、ハーレム4の36枠。フルプラで戦うには少々厳しい感じかな。モモ子のアペンドを入れると+3枠ですが、有料ですのでコスパが良くなるとかはないですね。ちなみに同系列の「通心ぼ」が6800円のミドプラ帯で37枠、今作と同値の「ハーレムゲーム2」が65枠ありますので、もうちょっと頑張れるハズと思ってしまうのが人情よね。もちろん開発チームによって色々あるのは分かるけどさ。
 内容としては、オーソドックスな和姦シチュ&体位で特筆する点も少ない。姉弟の設定を活かした甘えプレイとかもなく。実里に授乳手コキがあったくらいか。射精カウンターや射精箇所選択固定(そもそも選択自体が極少だったが)などの環境面は充実していたと思う。あまり名指しで批判したくはないけど、幾人かあまりお上手でない、というかフェラ音とか全然聞こえない声優さんが居て(もしかしたら録音機器や環境のせいかも知れないけど)、割とモヤっとした。あとハーレムルートが本番少なすぎて泣いた。


ストーリー(11/20)
 あらすじとしては、AI研究に没頭するばかりで他人とのコミュニケーション能力を育んでこなかった主人公が、とある事情から日本に帰国し、かつての幼馴染姉妹たちと交流を深めるうち、徐々にコミュ障が改善されていく、という流れですね。
実際、共通ルートでは主人公に焦点が当たることが多く、あまりクラスに溶け込まず、驚いた時などは英語が飛び出す帰国子女アピールが気持ち悪いし、これ大丈夫かねと少し不安にもなりました。ですが、彼も人としてマズイことをするタイプではなかったし、ヒロインたちのキャラ立ても最低限は出来ているので、プロット自体はそこまで悪くなかった(肉付けの部分でもっと姉たちとの絡みに比重を置くべきだったが)のかなと思います。ただ彼の変節に関しては「らぶこみゅ学」が効いたというより、実里の家庭的な手料理であったり、陽鞠とのランニングだったりが一番効果的だったように思います。健康的な食事と適度な運動、そして家族との憩い。これだけで彼が前を向くようになる展開への説得力は十二分に生まれてるんだけどね。無理に「らぶこみゅ学」を絡める必要は無かったと思う。実際、らぶこみゅ合宿とかも一部ルートでしか機能しないし、それ以外で「らぶこみゅ」が活躍した(ように見える)場面でもその実、学問自体が活きたのではなく、掲示板でのやり取りが役立ったのであって、あれを「らぶこみゅ」の功績と捉えるのは無理があるよね。恋愛相談のコミュニティサイトなんて「らぶこみゅ」がない世界でも余裕で存在するわけで。そして最終的な結論が「恋愛に正解なんてない。自分たちなりの答えで良いんだ」みたいな感じで。だったら学問で教えて、あまつさえテストを課して正解を縛るような真似は真逆の行為ということになる。まさかの教えてるヒロイン自身(凜華)までハッキリ反対派の立場を示してますからね。存在意義さあ。
 この「らぶこみゅ学」というのは、調べてみるとどうやらブランド前作で使った設定みたいで、恐らく開発陣(或いはもっと上層部?)はそこで確かな手応えみたいなのを感じたんでしょうね。でも多分、それは気のせいだと思う。少なくとも、今作にマッチする設定じゃなかったと思う。共通でヒロイン全員一度ずつ非本番プレイがあったけど、ああいった感じで体を重ねるにつれ(つまり座学より実践で)人の温もりが心の壁を溶かしていく的なヤツが主体で良かった。抜きゲーのシナリオとして見ても、そっちの方がシーン間が短く作れるし、エロの回数も稼げるフローだよね。比重を学校生活より家での生活に多く振るのがベターだったのではと。ただもしかすると、萌えゲーと抜きゲーの中間のようなものを作りたくて、わざと非エロイベント(学園イベント)も多く入れるという指針があったのかも知れないね。それ故の、らぶこみゅ「学」続投という判断だった可能性。ただ抜きゲーの中で萌えを両立させるというのは意外に難しいもので、個人的には今作はどう考えても抜き重視でしか見れないし、下手に頑張るより肩肘の力抜いて、ヤリ部屋ならぬヤリハウスで多好感マックス生活を送るうちに主人公も前向きに、みたいなんが良かったです。


音楽(7/10)
 ボーカル曲は2曲。OP曲は電波寄りだけど……デュッカさんは可愛い声で下手糞に歌うってのは嫌なんじゃないかな。ちゃんと「歌唱」してしまっていて、正直合ってなかったです。彼女が悪いワケではなく、選んだ人間のミスだと思う。ED曲は逆にしっとり良い感じで、結構好きですね。


合計(71/100)