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tkktさんのとなりに彼女のいる幸せ ~Curious Queen~の長文感想

ユーザー
tkkt
ゲーム
となりに彼女のいる幸せ ~Curious Queen~
ブランド
プレカノ
得点
66
参照数
153

一言コメント

ヒロインがあまり好きになれなかった。小悪魔系を通り越して、何か単純に嫌なヤツに感じてしまう瞬間が多かったです。単一ヒロインのロープラ萌えゲーでヒロインに魅力を感じなかったら、まあまあ厳しい感じになりますね。シナリオに関しても、もう少し山場を作る努力くらいは見せて欲しかったです。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

グラフィック(18/20)
 ねこにゃん絵の金髪巨乳はかなり好き。ただ過去作のヒロインたちを連想しないようにという配慮か、ヘアバンドにワンポイントつけたキャラデザですね。服装差分に関しては、制服・私服・体操着・水着2種類。背景絵の質は良さげ。過去作の使い回しも幾つかはあるのかな。


ストーリー(30/50)
 処女作以来の「となかい」プレイ。処女作はまあ既に結構忘れているのでガチガチに比較は出来ないんですけど、小悪魔系ヒロインとしての完成度はあちらに軍配かなと思います。どうしても感覚的な話になってしまうのだけれど、「からかい」の程度問題ですよね。謎に手を握られるのを嫌がり(それも素振りだけですが)触ろうとすると主人公の手がパチンと強く弾かれるのは普通に印象悪かったです。SEも大袈裟で良くなかったのかもですが。その他にも幾つか「からかい」があるんですが、微笑ましさより、困惑するようなものが多数で、可愛さには繋がらなかったです。主人公も彼女の気持ちが分からず、(彼女だけは)楽しいようですが、プレイヤーと同じく対応に苦慮している様子でした。正直その間の掛け合いのギャグも面白くなかったしね。
 付き合い始めてからは、手を繋ぐ以外のスキンシップは多めになり、少し可愛さを感じられるようになります。エッチ中は従順な感じですしね。まあ結局ヤレたら愛着が湧くっていう単純すぎる所はありますよね。でもしょうがないね、人間だからね。ただまあ多少は愛着が湧いたとしても、キャラ萌えまで繋げるには、もう少し強いイベントを入れて欲しかったですね。テンポが良い反面、あまりに軽すぎるイベントが矢継ぎ早に繰り出される構成(これは確か処女作でもそうだったと思うので、このライターさんの特徴なんだろうと思う)ですからね。例えば主人公がヒロインとの将来を見据えて料理下手を克服すべく二人で努力し、一丁前の物を作れるようにするイベントとか。保護者代理として同居しているという設定の叔母(存在を抹消されたかの如く登場しません)を使ってひと騒動起こすとか。なんにせよ、共通の目的に向かって絆を深めるようなイベントを経てこそ、一段上の愛着に繋がるものです。そして引いてはそれがキャラ萌えに繋がるのではないでしょうか。
 ちょっと置きに行きすぎているなって思います。特に叔母なんかは一応は子供たちを預かっている責任があるし、過度でなければ干渉して良い立場なんですよね。過度でなければね。ただその適切な匙加減が難しいので、だったら山なし谷なしで置きに行くっていう判断でしょうね。これは別に今作に限った話ではなく、ロープラ萌えゲー全般に蔓延っている風潮ですけどね。中々難しいのかも知れないけど、糞シリアスにならない程度を見極めて小さな山を入れてみて欲しい。特に今作はヒロインの設定自体は奇を衒ってみたのだから、イベントも強い物をぶち込んでみても面白かったんじゃないかと思う。上手くハマれば、キャラが立っていて、かつ不思議な可愛さがあるヒロインを擁する良作になりえたのでは。まあ外したら当然爆死だけどさ。


エロ(12/20)
 3回だよ、3回。処女作より値段が上がって回数が減ってるってどういうこと? まあ、これまた今作だけに限った話じゃないけど、増税後に明らかにミドル~ローの価格帯のコスパは下がったよね。抜きゲーじゃないし、そこまで目くじら立てなくてもと思う方も居るかもだけど、逆にフルプラの方はエロが濃い(回数も多い)萌えゲーが増えている状態なんだよね。何だかなあって。まあいいや、これくらいにしとこう。内容の方ですが、3回とも全部本番アリの構成で、何故か卑語無修正。の割には殆ど口にしない。尺も短いです。


音楽(6/10)
 BGMは簡素で最低限。ボーカル曲はEDに一つ。クオリティに関しては、低価格だからこんなもんかなって所。


合計(66/100)