奇を衒った設定の割に、シナリオ構成は基本に忠実。もっと無軌道なゲームになるのかと思ってたので、良い意味で裏切られました。ヒロインも可愛くて、巨乳に甘えたおすエッチも濃厚で、抜き性能も問題なし。欲を言えばもう少しボリュームを増やすか、それが無理ならハイミドルくらいの値で出せていたらって所。
グラフィック(18/20)
初見の原画さんでしたが、全然悪くなかったと思います。真冬ちゃんの前髪パッツンと切れ長の目がお気に入り。また服装デザインも良く、萌桃香のジャンパーは二種類ともマイルドヤンキー丸出しな感じが素晴らしかったですね。というわけでヒロインのビジュアルには満足です。あかべえの塗りにも合ってたのかなと思う。背景絵は幾つか過去作で見たものも有りますが、総じて美麗でこちらも十分。
ストーリー(35/50)
ちょっと迷ったんだけど、非抜きゲーとして採点します。というのも(まあエロも良かったんだけど)地味にシナリオが面白かったからですね。僕自身がヤンキー娘の出てくるゲームをほとんどプレイした事がない故の新鮮味も関係しているんでしょうけど。ただそこに加えて、今作はヤンキー×母性本能という、もう一捻りがよりパンチ力を生んだと思います。もう時代的に、こういう奇を衒う系は一つの属性だけでは戦えず、それらの組み合わせでどう新鮮味、外連味をもたらすか、というのが焦点なんでしょう。制作側の苦労が偲ばれますね。ただ当たった時のリターンも大きいもんで、狙う価値はあるんでしょうね。
で、まあこういう設定なわけだから、もっと全体的にぶっ飛んだシナリオになるのかな? と思ってたんですが、読み進めてみると意外や意外、むしろ古き良き萌えゲーのテイストなんですよね。共通でモテモテハーレムを堪能しながら、全員との仲を進め、選択肢で個別へ分岐。個別後はエッチを重ねながらオギャリスの覚醒を経て、二者間の関係をより深化し、終盤にはそれぞれのヒロインの悩み(家族関係が多いのも非常にオーソドックスです)を一緒に解決する。逆に今の時代でここまでコテコテなのは珍しいくらいザ・王道ですよね。目新しい設定・コンセプトを、旧来的な萌えゲーのシナリオ展開で表現する。新旧の融合の妙味とでも言いましょうか。
さて、では個別をもう少し詳しく見ていきます。実際の攻略順に行きましょう。
紅愛ルート。ルートの内容としては、仁を放っぽって別の事(元メンバーと母の形見のギター)に意識を割いた所為で水難事故→失いかけて一番大切なものに気付く→オギャリスMAX→母乳噴射という感じでしたね。そして二度目の選択では自らギターをへし折り仁を助ける事を選ぶ決断力もまたロックの申し子らしい。ここら辺は萌桃香と好対照でしたね。まあ逆に言うと、自由とロックをこよなく愛する紅愛がママとして生まれ変わるには、これくらいの覚悟を要したとも取れます。(好き嫌いは別にして)キャラ特性は上手く出せていたと思います。ただ全体的に元メンバーがウザ過ぎましたね。サブキャラの使い方が洗練されていないのも「古き萌えゲーあるある」ですが、こんなところまで踏襲しなくて良かったんですよ?
ショコラルート。彼女にしてもキャラ個性がシナリオフローによく反映されていました。からかい上手の小悪魔系女子という性格から、主人公を焦らしたりイジメすぎて、結果オギャリスの摂取に支障をきたしてしまう。深刻なオギャリス不足に陥り幼児退行する主人公を見て、自身の言行を省み、真のママになる決意を固め、オギャリスが高まり授乳。序盤の流れはこういう感じで悪くないんですが、後半がやや弱い。ギャル仲間におっさんのママをやっている事がバレたり、父との和解があったり、ただどちらもサラリとした感じで流れていってしまいました。まあ今作ではサブキャラの使い方が上手くないので、紅愛ルートみたいになるくらいなら、スルーした方が良いのかな、とも思うので、減点対象にはしてないですが。
萌桃香ルート。共通ルートの最後で示唆されていた主人公の毒親との決別と、それに伴う疑似出産を経て、正式に萌桃香をママとする。そのイニシエーションじみたカタルシスを通して、オギャリスが溜まり、母乳が噴射、という流れ。流石はセンターヒロインという格好で、一番王道っぽい展開でした。過去つながりで後半部では公園でオモチャを貰った思い出をフォーカスするのかと思ったら、不良グループ抜けのアレソレに終始しました。既述の通り、紅愛とは真逆で、主人公と子分たちを天秤にかけて行ったり来たりしてしまう萌桃香は正しくヒヨコと呼ばれるピヨピヨぶり。最後は両取りでどちらも守るという少年漫画的なブルー臭い結論になりましたとさ。まあ彼女、妹さんも居るらしいし、元々大勢の面倒を見るのが性に合ってるのかもですね。よう知らんけど。
真冬ルート。まあ共通で察せる通り、案の定、親馬鹿の父親が障害になる話。紅愛と違って、想定内と言うか、そこまで腹立つ感じではなかった。面も割れてる上、仮にも地元企業の社長なのに、主人公を探すのに時間かかりすぎだろ、とか全然関係ないツッコミは入れたくなったけどね。そんなワケでヤクザの索敵能力の低さにたまげながらも読み進めていくと、ひょんなアクシデントで組に見つかってしまうイベント。命からがら逃げおおせたものの、自分の責任だと落ち込む真冬を慰めックス(曰くママ孝行)して、行為後、真冬は子供を守れる強いママになると誓いオギャリス爆発。後半では主人公を誘拐(誤解ですが)した父に毅然と立ち向かう強さを見せます。ヒロインの中で一番マジメで規律的な子だったけど、時には法やルールを破ってでも守らなくてはいけないものがあると気付き、その覚悟を示した。全ルートで一番主人公がシッカリしているように感じたせいか、真冬の成長がより目立っていました。
という感じで、概ね綺麗にまとまっていたと思います。キャラも活きてました。あとは一言でも書いたように、ボリューム不足を補えていればより高い点数を付けられたかな。ぶっちゃけ今以上に個別ルートを引き延ばしてもダレるだけなので、ハーレムルートの実装が一番合理的でしょう。そうすればエロシーンの量的不足(詳細は後述)も補えて一石二鳥です。ていうか何でハーレム無いの? みんな共通時点で好感度高いし、ひとりを選べない甘ちゃんでも許してくれるママみ持ってそうだし、いけるくない? 予算の関係か、制作陣のポリシーの関係かは分からないけど……面白かったし僕自身にもよく刺さったシナリオだっただけに、もう一歩あればなと。
エロ(20/20)
各8回の4人で32回。兎に角おっぱいに拘ったシーンが多く、個人的には質に関しては何らの文句も無いです。和姦抜きゲーとしては最高峰の類。パイズリは勿論、授乳手コキも全員に完備。本番時も吸ったり揉んだりしながらピストンしている一枚絵も多くあり、嬉しくなりました。ただ量に関してはフルプラの抜きゲーとして見るならやっぱ少ないですよね。だからハーレムをだね。
音楽(7/10)
OP曲は格好いいですね。メロディラインも歌唱の力強さも良かったです。BGMに関してもロック調の「それでもママなら」や「ショータイムだ」あたりが耳に残りました。
合計(80/100)