不器用な青春を題材にした萌えゲーで、普通くらいの出来ですかね。マシンガンみたいに矢継ぎ早に年中行事をこなしていく共通は、良く言えば騒がしく退屈しない。悪く言うと落ち着きが無く、全部中途半端で個々の印象は残りにくい。
グラフィック(17/20)
立ち絵があるキャラは五人だけなので、出来たら原画さん二人くらいで書いて欲しいなーと思わなくもない。作中、夏から冬まで過ごすので、一人あたりの衣装差分が多く、そこらへんの負担が三人原画となった要因なのかな。
目パチ口パク完備で、メッセージウィンドウ内のキャラ絵も動かしたり、視覚演出は頑張ってました。背景は平均的。
ストーリー(29/50)
これでもかと言うくらいイベントラッシュの共通ルートでした。一言では功罪書きましたが、僕個人としては良い印象はあんま無いですね。盛り上がるかなという所でポンと終わって次、という形は微妙に気持ちが乗って行かないし、何よりイベント偏重過ぎて、各キャラの掘り下げがあまりに弱くなっています。ちょっと例を挙げると、ハナコを看病した際、謝礼にお金を渡される→価値観の違いが浮き彫りに→全然関係ない次のイベント、みたいな。いやいや、そこもっと書かないと。つーか衝突したりガチ喧嘩になる所まで書いて良いよ。たくさんの喧嘩や仲直りを経てこそ、友情を育む過程として説得力が出てくるんじゃないかな。チャッピーの大食い設定も、先輩の守銭奴キャラもほとんど共通で顔を出すことは無く、弱すぎる。海岸で拾った捨て犬もSD絵すら無いからねwアニマルセラピーがどうとか言っておきながら。動物の世話を通じて少しずつ仲良くなっていく過程は……カットで。それよりも次の楽しいイベントが優先だから。
まとめると。衝突する描写はほぼ無く、ぎこちなく仲を深めていく過程も書かれず、夏から冬までの行事を余さず網羅して全員でエンジョイしまくる描写だけ。……コミュ充じゃね!? 何かイベント数ノルマでも課されていたのかね、ライターさん方は。
個別は共通と比べるとかなり短く、基本的に恋仲になるまでがピークで後はエッチ三昧という構成。やっぱキャラの掘り下げが微妙なので、ここもあまり感情的に乗りませんでした。ハナコと親父の確執は、その発端を書いてくれてないから和解だけ書かれてもチョット。チャッピーにしても、共通でもう少し対人恐怖症ぶりを描写しておいて欲しかったです。希、綾瀬は何とか及第くらい。この二人は健気な薄幸属性という庇護欲を掻き立てるキャラに仕立てていて、そこら辺が魅力でしたね。対して主人公は若干鈍感が過ぎますが、まあ一応コミュ障設定なので許容範囲かな。告白シーン付近では男らしさを感じる台詞も吐きますので。
こうして全体見ると、やや辛口の感想になりましたが、刹那的に楽しむなら十分だろうとも思います。来週あたりには覚えてなさそうですけど、ある意味それが萌えゲーの良い所でもありますから。気楽に消費できるっていうか。声優さんやチームオズが好きな人なら買ってみても良いんじゃないでしょうか。
エロ(16/20)
ひとり5回ずつ。僕の嫌いな透明チンコが少し多い。卑語は普通くらいの頻度。何故かアナルセックスが充実している。冬服のエッチがほとんどで、夏服の方が好みの人はモニョるかと。
音楽(9/10)
OP曲はアップテンポで、ノリが良く、かなり好きな部類。セカンドOPはクラシックの電波アレンジという面白いセンス。エンド曲は各声優さんが歌唱しており、ヒロインの性格やルート内容を歌詞にした感じ。BGMもソツなく仕上がってました。
合計(71/100)