あの頃の三香月村に縛られたまま動けずにいる最後の一人の救済FD。本編やって幼馴染組の面倒臭さに頭掻き毟ってハゲそうになった覚えがあるから購入を少し躊躇ったけど、結果としては買って良かったです
グラフィック（１９/２０）
相変わらず美麗な星空。あかりルート終盤の彗星のムービーも鳥肌もの。ただ非常に残念だったのが、ころなちゃんだけCG枚数が結構少なかったこと。まあ突貫で作った（本編から半年くらいでしたっけ）故、間に合わない原画さんも居るわなｗ人によって速かったり遅かったりセロリが好きだったりするんだろうね。
新規の立ち絵つきキャラはタマキンちゃんのみ。結構キャラデザが好みで攻略したくなりました。折角スケベな名前してるんだから俺の金星も観測してくれよな～
ストーリー（３７/５０）
既存のヒロインたちは、まあ本編のおさらい的な話が多かったかな。FDらしい内容。新規に関しては、吉岡さんは特筆することは無い、ごく普通の萌えゲー的展開。
で、ダークホースが美晴ルート。いやあ凄い良かったっす。あー本当にこの人は凄く優しくて凄く脆い人なんだなってのがまざまざと分かった。幾ら自分が担任したって言っても、流石に子供同士のすれ違いまで責任感じて、自分がどうにかしてやらなければいけなかったなんて強迫観念じみた思いを持っていては、そりゃ潰れるよ。しかも五年経って、また三人仲直り出来た後もなお、あの時自分が頑張っていればその空白の時間も無かったんじゃないか、なんて背負いすぎてしまってる。教職は子供たちの人生を預かるって言っても、その全部じゃないし、自分が携われる部分なんてそう多くないって、ある意味割り切んないとやってけないんじゃないかと思う。けど美晴さんは人一倍責任感が強くてそんな風には思えなくて、そして子供達ひとりひとりに寄り添いすぎてしまう優しさが仇となったんですね。なんつーか悲しい話だけど、他人から一歩引いて突き放して見たり、他人を押し退けたり出来ない優しくて繊細で正直な人ほど社会ではあぶれるんだよね。こんな所で自分語りする気はないけどさ、仕事やめたことある人とかは何か感じる所あるんじゃないかなって思う。
そんな優しい彼女が報われるシーンは正直泣いたよね。何も出来なかったと思ってたけど、そんなことはなかった。彼女の優しさが、何とか修復したいと願って貼り付けた観測ノートが、三人の絆をギリギリ繋いでいてくれたと知ったときの彼女の心境を思うとね。過去の全部が有意義だったとは言わないけど、けど彼女の優しさで救われた、彼女が担任だったからこそ繋がった絆があった。暁人くんの「ありがとう」は多分、彼女が五年もがき続けた中で何よりも聞きたかった言葉、でも自分は教師失格だから決して聞けないと諦めていた言葉でしょうね。
こけたら起きたら良い。仕事がなくなったらまた探せば良い。１０円ハゲが出来てもまた生やせば良い。自分ひとりじゃ無理なら、誰かの言葉に励まされ、手を引かれて起こしてもらっても良いんだと思う。それは決して恥じゃないしね。
で。この素晴らしい流れから、一気に恋愛まで発展するのかと思ったら、お得意の「それから半年後」ってヤツを食らって、しかも周囲に仲の良さを冷やかされて何となく「じゃあ付き合う？」みたいなドゥルドゥルの展開なのがねえ……どうにもこのシリーズを胸張って大好きになれないのがここら辺なのよね。あの勢いのままガツンと行って欲しかった。こう……どうも王道から敢えてずらそうって意識が見て取れちゃうんだよねえ。まあここら辺差し引いても良いルートだったけどね。干支で一回り離れた年上ヒロインが、ガキンチョの主人公に男としての頼りがいを見出して好きになるって展開、たまにエロゲで見るけど「そんなペタジーニじゃあるまいし、簡単にいきすぎじゃね？」って思ってしまう所もあったりするんだけど、このルートはそういう風に感じませんでしたね。美晴さんは年上と言ってもずっと停滞していた人で、言い方悪いけど、やっぱ幼い部分が多く感じられるもんだから、あんま年上っぽさが無いんだよね。例えば飯おごるって言っても、働いてる女性だったら年下の子が背伸びしているのを微笑ましく思いながら、じゃあ奢られるわって余裕アリアリな態度になるけど、先生の場合ガチで金持ってないしねｗｗ
あとは沙夜ルートの話もちょっとしとくかな。結論から言うと相変わらずで安心したって感じかな。ガイソン彗星のトラウマでバレンタインを忌避しており、チョコを作るのを渋る沙夜ちゃん。暁人くんが義理チョコを沢山もらうと嫉妬。しかしバレンタインを嫌がる理由は話さず。「はあ？」って腹立つ程じゃないんだけど、面倒くさい子だなあｗｗってなるあの感じは健在。けど何故だか嫌いにはなれなかったヒロインでしたね。
エロ（１５/２０）
既存ヒロインが三回、新規が二回ずつ。スケベ☆ファンクションのFDみたいなのを想像するとダメ。あくまでも現実に根ざした恋愛の延長線上っていう形式は崩さず、はっちゃけたエロは皆無です。「ひろげてごらん、お尻の穴を FUCKDAYS」みたいなのを期待するとまたハゲます。複数人プレイは夢オチ等でもなし、アナルセックスも辛うじて織姫に一度だけ。織姫は本編からお預けしておいて、やっとFDで解禁になったんだからもっと使い込んでよかったと思うんだけどな。お尻の穴をヒクヒクさせて、おまんこ穴と並んで淡いピンクの二連星、見つけた！股間のアナビレオ！これで沙夜ちゃんに下克上だ！みたいな、ね。
音楽（６/１０）
新規の楽曲はOPのみ。BGMもほとんど無印から据え置きかな。
合計（７７/１００）