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tkktさんの魔装の国のアリス Alice in Immoral-Landの長文感想

ユーザー
tkkt
ゲーム
魔装の国のアリス Alice in Immoral-Land
ブランド
わるきゅ~れ
得点
80
参照数
1676

一言コメント

敗北レイプがメイン。女主人公のRPGでわざとヤラれに行くのが好きな人とかは気に入るかも。シナリオは凝っていて、捨てキャラ無しの人間ドラマや伏線回収が巧み。どうした?わるきゅ~れ。そんなん求めてないぞ。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

グラフィック(19/20)
 原画お一人ってのが地味に凄いですね。女性キャラも男性キャラも、果てはクリーチャーデザインまでという多才ぶり。それでいて画力に首を捻るキャラが居なかった。この業界、可愛い女の子は描けるけど……って人が多い中、素晴らしい仕事だと思います。
 変身アニメーションも三種用意されていて、低価格ながら相当頑張っているんじゃないかと。そのせいで若干動作重かったりしましたが。


エロ(41/50)
 登録枠は30ですが、変身ムービーとラストバトルも一緒に登録されているので、実質的なエロシーンは-4で26回ですかね。一言にも書いたように、敗北レイプが9割方といった構成。ただし、一度に複数に輪姦されるシーンは少なくて、単体ボスバトル→負け→レイプという形式を繰り返す感じです。
 一応、アリス以外の女性キャラ(三月ウサギと女王)にもシーンがありますが、おまけ程度。ふたなり化でレズプレイもあります。その他で言えば、申し訳程度の和姦はありますが、童貞君か快楽堕ち後の帽子屋とのみ。
 繰り返しになりますが、上記はおまけ程度、一応他の属性も入れとくかくらいのアクセントでしかなく、基本は敗北レイプですから、そこにピンと来ないなら回れ右で良いと思います。


ストーリー(15/20)
 一言感想では憎まれ口叩いちゃいましたが、実はこのメーカー、個人的にはセンスの良さを買っていまして、おふざけに走らなければこれくらいは書けるのかな(上から目線でスイマセン)とは思っていたんですけどね。都合3作くらいしかやってないから語れるほどでもないんですが、女体狂乱のギャグセンス・ワードセンスを見れば然りという感じ。まあプレイしてみるまで何が出てくるか分かんないパルプンテみてえなメーカーって事ですかね。わるきゅ~れ道は奥が深そうだなあ、進みたくもないけど。
 さて、そろそろシナリオ自体の話をしましょう。
 今作のように童話をモチーフにしたエロゲーは数多くありますが、ここまで「童話の登場人物にも性器はあり、性欲がある」というのを実感させられたゲームは初めてでした。僕があまり凌辱ゲーやんないってのもありますが。童話の持つ淫靡さや暗さを上手く扱って、エロさを引き立たせる、抜きゲーらしい良シナリオだったと思います。
 そして純粋な読み物としても、中々練られているように見受けられました。
 世代を超えた人間模様と愛憎劇。帽子屋と女王とイーディスの歪で複雑な関係は非常に上手く機能してました。特に帽子屋が自分の正体を切り札にして女王の尊厳を打ち壊して堕とした場面は、これぞ凌辱ゲーの敵役って感じでしたね。また寝取られ要員&物語上のお助けキャラとして大車輪の活躍をしたピエールや、欲しがりで嫉妬深い三月ウサギあたりもキャラ立ちしており、本当に捨てキャラ無しといった(もちろんゲスト参戦みたいな竿役は除きますが)完成度でした。
 そして伏線回収。序盤から挟まっていた白ウサギの夢が、最後の最後で回収されるというキチンとまとまったプロット。全部わかった上で振り返ってみると、異父兄の帽子屋に処女を奪われるルートがまだ一番マシだったような気さえしてくる程、苛烈な運命でしたね。キャロルちゃんには強く生きて欲しい。


音楽(5/10)
 ボーカル曲はタイトル画面で流れる主題歌のみ。まあ低価格なんで、しょうがないね。ちなみに結構好きですよ、デンカレっぽいというかアリプロっぽいというか。BGMは特に気になるものは無かったですかね。


合計(80/100)