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tkktさんの通心ぼ ~ママにもナイショの時間割~の長文感想

ユーザー
tkkt
ゲーム
通心ぼ ~ママにもナイショの時間割~
ブランド
マーブルCandySoft
得点
87
参照数
739

一言コメント

ロリ抜きゲーの傑作。基本的には明るく前向きな関係性なんだけど、年齢や社会的立場の差からくる背徳感も同時に漂う絶妙な塩梅。またキャラデザも秀逸で、みんな凄く可愛かったです。ミドプラだけど下手なフルプラ抜きゲーよりも満足感があり、買って良かったなと思いました。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

グラフィック(20/20)
 ちょうどオシャレに目覚め始めたくらいの女子小〇生っぽさが非常に生々しい私服デザイン。大きく無垢な瞳と子供特有の弾力を感じるプニプニの頬。それでいて唇は妙に艶めかしい。いやあ、マジで僕が知っているロリ絵の中でも三指には入るであろうクオリティです。また私服が夏・冬二種類に水着や体操服、巫女服やサンタ服まであり、衣装差分も頑張っています。背景絵は幾つか系列の過去作で見たものもありますが、概ね量・質とも良好でしょう。


エロ(45/50)
 えみ10回。ののか11回。ことね10回。ハーレムが6回。何度か一枚絵の使い回しがあるものの、その際は新規絵での連戦エッチが続くことが多く、まあ許容範囲ですね。非本番と本番は比率的には半々くらいでしょうか。非本番に関しては無知シチュでの背徳感強めのイタズラが多く、テキストもそこら辺を上手く煽っているので、シコリティは相当だと思います。産まれた時からの本番派である所の僕ですら、数回使用できたくらいですからね。
 エッチシーンの構図としては主人公とヒロインの体格差を活かした物が結構あり、まさしく大人の男が幼女にハメているんだなと意識させられ、非常に背徳的で良かったです。陰毛ボーボーの肉棒とパイパンロリマンコの対比も素晴らしい。また力強い腕に小さな体が抱かれる対面座位や、上から叩きつけてしまうような後背位といった界隈垂涎の体位が散りばめられていて、変態性癖の宝石箱のよう。とにかく大人の男と小さな女の子のセックスというものを、強く印象付けるようなシーン作りが徹底されていたと思います。
 射精カウンターあり。BGVも完備。卑語は殆どなかったと思います。


ストーリー(15/20)
 物語は都会の学校から(本人的には)左遷されて田舎の学校に赴任した主人公が、都会にはない教育の形に触れて人生観が変わると共に、ロリマンコをゲットするというあらすじ。序盤は「都会に帰る」「有名校で教鞭を執る夢を捨てる気はない」という面従腹背な態度を取る主人公に少々苛立つ場面もあったけれど、すぐに目の前の生徒を見ていないことが原因で蟠りを生み、孤立し壁にぶち当たるので、そこまでフラストレーションが溜まることはなかったですね。そこから軌道修正し、田舎流に染まっていく様子も見受けられ、まあ失点は概ね取り返せていたかと。打ち解けすぎてナチュラルに教え子にエッチな悪戯をするようになっていくのは、エロゲじゃなければ一発レッドですが。
 そしてこの主人公、田舎流を汲んだ上で、やはり都会のハイレベルな教育に携わりたいという夢も捨てきれずにいて、これを追いかける展開が各ルートの別離エンドになりますね。はっきり言って感情的には好きではないエンドです。自分が手を出した子は、そりゃ恋人なんですが、言い方悪いけど対等とはとても言えない、やっぱり傍で見守ってあげるべき子供でもあるんですよね。そういう子に手を出した責任ってあると思うんです。都合の良い時だけ、大人の恋人同士のように「僕の夢のために我慢してね」は、ちょっとね。だって彼女たちは大人と同じ選択肢は持ってないんだから。大人同士なら遠距離恋愛でも、休みの日に会いに行くといった選択肢もあるし、スマホで気軽に連絡を取ることも容易でしょう。だけど、子供はそう簡単にはいかない。端的に言って、自分より遙かに狭い範囲で生きている相手を置き去りにするという状態で、可哀想の極み。
 ただまあ人間というのは業が深い生き物で、可愛い子ほど慈しみたいと同時に意地悪して困らせてみたいという背反した気持ちを持ってしまう性質でして。もちろん直接どつくとブラックサイクになって売り上げが落ちてしまうので、物語上の展開で傷つけてみるという形で表出することになるんですよね。別れを意識しながらも健気に振舞うヒロインたち。この片田舎に居るしかない、ちっぽけな子供。彼女らを疑似的にヤリ捨てるような背徳感が得られるワケです。出るよね、まあ。何とは言わないけど、精子が。
 と、ここら辺の功罪を足し引きして考えてみると、(理性的には)好きじゃないけど、(本能的には)嫌いじゃないという所に落ち着く感じですね、この別離エンドに関しては。主人公にしても中途半端で自分勝手だと自覚しているし、大企業病という心理も全く分からないでもないし、それが教師としてのステップアップだと妄信してしまっている状態なら致し方なしかなと思うし。ご都合主義でも何でも、彼らの遠距離恋愛が上手く行くと信じておくのがベターですかね。
 あとは少しだけ、ヒロインのキャラ個性についても言及しておきましょうかね。結構これも頑張って差異化していたと思いますので。
 えみちゃんは元気印の猪突猛進かと思いきや、意外に人見知りをする子で、主人公との共同生活にも慣れるまで時間がかかりました。その分、懐いてくれると子犬系で大変可愛らしかったです。エロ方面では、初体験の際、未知の感覚に泣いてしまうなど、やはり新しい事や変化への弱さという「らしさ」も出ていました。そんなえみちゃんですが、エンディングではクラス委員を務めるなど積極性を見せ、成長の兆しが感じられました。
 ののかちゃんは、見た目通りのおっとりマイペース系。個人的には体の関係を持つようになった後は、あの早熟のおっぱいに甘えさせてくれる母性的な面も欲しかったですね。可愛くないとか魅力がないというワケでは決してないですが、あまり意外な一面というのは見られず、順当な感じでした。彼女のエンディングでは、漠然とですが将来やりたいことを見据える姿が見られます。当初は居眠りばかりだったけど、先生とマンコツーマンで勉強したおかげで楽しさを知った算数を伸ばしてみようという事らしいです。教師冥利に尽きるってヤツですかね。
 ことねちゃんはドM。やはり小さな頃から両親に甘えられない環境にあり、我慢を覚えているせいでしょうね。ヒロインの中で一番小さいのにストレス耐性が一番高いのかなと思います。イラマチオさせるしかないですよね、そりゃ。主人公の方もノリノリで、新しい被虐エッチをどんどん覚え込ませ、英才教育を施していました。教師冥利に尽きるってヤツですかね。この子の場合は別離エンドの方が光るんですが、グッドエンドの方では、ほぼほぼ祖母公認の仲になってしまいました。この祖母の昭和的な価値観による抑圧がドM撫子を育てたんでしょうね。
 という感じで、いわゆる捨てキャラみたいな子はおらず、みんな個性を持っていて、それらがすくすく育っていく様子を暖かくも卑猥な気持ちで眺める事が出来た会心作でした。そんな彼女たち全員と愛し合うハーレムエンドも幸せ一杯で〆には最適でしたね。いや、本当に買って良かった。


音楽(7/10)
 ボーカル曲は一つ。ムービーも相まって非常に可愛らしい曲でしたね。作風によくマッチしていたと思います。BGMは鑑賞画面が無いので曲名が分からないのですが、口笛の入った明るい調子のヤツが好きでした。


合計(87/100)