正田さんの作品は初めて手に取りましたが、なるほど評価が高いのも頷ける出来でした。久しぶりにプレイ後の虚無感を長く引きずるゲームでした。死ぬ前（或いはエロゲ引退前）にやれて良かったと素直に思える魂の作品
グラフィック（２０/２０）
萌えゲーマーの僕がまさか男キャラのグラフィックで加点することになる日が来るとは。でもカッコイイんすよねえ皆。なんならヒロインキャラのより好きだったりする一枚絵も多々あったり。
ストーリー（４８/５０）
構想、キャラ設定、ストーリ展開、知識量……どれを取っても、こっちも下手なことは言えないレベルの完成度。まさに他人を殴るのなら、同時に自分も殴られる覚悟を持つくらいじゃないと批評するのも憚られます。普段萌えゲーばっかやっててあまり馴染みのないジャンルだったがために、必要以上に衝撃を受けた可能性もあるけど、やっぱそこらへんを抜いても、熱かったし、楽しかったし、クリックが止まらなかったし、泣いたし笑ったし、正しく「物語」だったと思います。黄の終段にコンマ一秒も抵抗できそうにないクズ人間の僕には耳が痛いところもあったし、ギャルゲ・エロゲへの皮肉が少しきつく感じるところもありましたが、まあメッセージ性の強さも覚めない程度ならエッセンスってことで。
ひとつふたつ、減点要素を挙げるなら、やっぱクリア後の回収作業の面倒さですかね。こんなところだけ八命から踏襲せんでも良いのよ？クリア後の熱がちょっと引くんだよね、こういう作業が残ると。ここらへんの構成をしっかり考えていたらと思うと勿体無い気がします。
それと物語の内容で言うと、どうしても満州は描写不足よね。コレはイチャモンというより、満州編でないのかな（ちらちら）だったりする。ヘルちゃんとの恵体セクロスお待ちしております。
エロ（８/２０）
まあコレはね。野枝さんとかね。別にエロ演技NGの人じゃないしね。既存ヒロインにしても、もうちょっとやる気出してくれてもいいんよ。ただ八命でヨシヤ君の声ががっつり入っていたシーン内を今作では配慮したらしくモノローグにしてセリフにしないようにしていたりと少し気を配った感はあったものの、そういう方向じゃないんだよねっていう。僕もまあ期待していたわけじゃないけど、エロゲという媒体でプレイしてしまった以上、こういう評価になってしまいますね、この項目は。
音楽（１０/１０）
音楽の配点変えたいくらい。満点突き抜けてます、気持ち的には。OPEDの楽曲も素晴らしく、前作のそれらやアレンジも珠玉。BGMも言わずもがな「mylove,myhero」「こうきんどうじん」は未だに聞いてしまう。
合計（８６/１００）