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tkktさんの武想少女隊ぶれいど☆ブライダーズの長文感想

ユーザー
tkkt
ゲーム
武想少女隊ぶれいど☆ブライダーズ
ブランド
ALICESOFT
得点
81
参照数
307

一言コメント

王道のシナリオ展開に、最強主人公と花嫁5人の絆。そこそこ面白かったし、キレイにまとまっている良作だとは思うけど、今ひとつパンチが足りないのも事実。長文は「超電激ストライカー」のネタバレを含みます。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

グラフィック(19/20)
 背景絵が凄い豊富ですね。ステージが変わるたびに美麗な物が出てきて、次はどんなステージだろうという期待感・高揚感に繋がっていました。ゲームパートの各種デザインも洗練されていて、流石はアリスソフトと感心しきりでした。満点つかなかったのは、すんません、正直、キャラデザがあまりピンとこなかったせいです。下手とかでは決してないんだけど……。


ストーリー+ゲーム性(38/50)
 ストーリー単体の評価は35点くらいです。そこにゲームパートの楽しさを加味し3点足した感じですね。ゲーム性のあるエロゲとか超絶久しぶりにやったけど、中々面白かったよね。というわけで、語れるほどの経験値が無いので、ゲームパートはあまり深掘りはせずに書いていこうと思います。あー、ひとつだけ確実に言えるのは、ほぼ初心者と言って差し支えないレベルの僕でも詰まらずに全クリできたのだから、攻略難度はかなり低い部類でしょうね。
 さて、前置きはこのくらいで、そろそろ内容に踏み込んでいきましょうか。

 ・キャラクターについて
 何をおいても主人公のキャラメイクが非常に良かったですね。現代に蘇った旧日本軍人。熱い愛国心と据わり切った覚悟がチャームポントですね。現代の常識からズレた言動を周囲に突っ込まれるという形で、パーティのボケ要員としても機能していました。ただしシリアスな場面では、やはり現代人では中々持ち得ない強烈な覚悟と献身を発揮してくれます。そしてそれを他人(ヒロイン)には求めない、「自分に厳しく、他人に優しい」という理想的な好人物です。僕と真逆ですね(爆笑)。流石は嫁を5人も娶るキャパシティですわ。「夫としての責任を全うする覚悟があれば、嫁が5人いようと何ら恥じることはない」とまで言ってのけてましたね。そして彼のこれまでの人生で、責任から逃げたシーンというのが皆無なのだから、まあ凄まじい説得力ですよね。女の子たちも安心してついて行けるってもんでしょう。知らんけど。
 彼とは対照的に、不快要素となってしまったのが、智苑と長官ですね。こういうエロ親父丸出しの絡み方がギャグになるって発想があんまり僕の中には無くて、何が面白いのかよく分からんのよね。しかも往々にして相手が嫌がっている事が多く、今作でも主な被害者である小夜子が「やめて、やめて」と繰り返す様(終盤は諦めたのか慣れたのか、あまり言わなくなったが)にギャグどころか凄い不快感を覚えた。幼少期、小夜子の発育をからかってイジメていた連中と大差ないんじゃないの? とすら思ってしまう。しかも超しつこくて、ほぼ毎話やってたと記憶している。ヒロインの智苑ですらイライラしたのに、長官とか慈悲すら湧かない。開始5分くらいでミュートに放り込んだよ。
 流星にしろ二人にしろ、昭和的価値観でのキャラメイクなんだけど……明暗が分かれちゃいましたね。

 ・バトルものの醍醐味たる熱戦が無い
 一番の減点要素になるのかなぁ。本来であればラスボス戦はもっと燃えなくちゃいけない。だけど正体がアレですからね。絶望に歪んだりフィーネの願望が影響を及ぼしたと言っても、根っこは流星であり、分かり合えるのが前提で作られているラスボスですから、まあ、ああなるわな。どこか弛緩した雰囲気で、「絶対コイツを倒さなくては!」みたいな熱は入らなかったっす。
 悪役不在……が問題なんじゃなくて。悪役不在なら、それはそれで書きようは有るんだよね。結構今作と雰囲気の似通ったゲームで「超電激ストライカー」というゲームがありまして。あれも(カーチスを除けば)悪役たる悪役は居ないゲームなんだけど、クソ熱かったからね。ミラー戦はどれも悲しく切なく、それでも止めてやらなくてはという想いがこちらにも伝わってくる激闘に仕上がってた。つまり、善や悪では測れない存在証明の戦いを描いたって十分熱いものが出来るって事です。丸パクリしろとまでは言わないけど、設定も似通った部分が多く、そうなるとこちらはあちらの劣化版という印象が拭えない。正直今のままでは優しすぎるし、ジンへのペナルティ(けじめ)って観点から見てもヌルいなと。全然もっとシビアに行って良かった。それが出来ないメーカーではないし、購入層も基本的にはアリスソフトに優しすぎる物語ってのは求めてないんじゃないかと思うんだけど。まあそこら辺はファンに聞いて統計とってみないと実際の所は分からないんだけどね。
 或いは、ラスボス以前の武装進化を熱い展開にするのも一つの手だと思う。流星なんて、母との離別という正に人生の転換点を経たワケだから、あそこをゴリゴリにドラマティックにエモエモに演出して、そして輝くウルトラソウルしたら最高に盛り上がったんじゃないか。昭和区域への攻撃を全て流星が庇って被ダメみたいな演出とかね。なつみにしても妹との決別とかおあつらえ向きのイベントも有ったし、有効に使えたんじゃないか。折角バトルものなんだから、負けられない戦いの中で克己のメンタリティを得て武装進化ってなった方が個人的には百倍燃えたんだけどな。
 総じてほのぼのバトルに終始してしまった。覚醒契機も燃えない。ラスボスも燃えない。これだとチョット厳しいかな。何かフワッと終わっちゃったよね。全く笑えないセクハラギャグでストレス掛けるくらいなら、バトル方面でストレス掛かる書き方して欲しかった。

 ・総括
 なんだか点数の割に辛口になってしまったけど、決してつまらない作品ではなかったですよ。多分僕が求めすぎたんだと思う。こういう、やわらか暴力な内容だと先に知っててプレイしたらまた違った感想になったんでしょうね。ただ凌辱未遂が数件あったりして、作風を掴みかねたまま終えてしまった部分もあって、まあ、うん。アリスファンの方々には初心者の戯言とお聞き流し頂けると幸いです。


エロ(18/20)
 なつみのみ7回、その他ヒロインは各6回で合計31回です。基本は和姦メインですが、なつみにレズレイプもどき、ほのかに触手レイプ未遂、小夜子に機械姦レイプ未遂があります。また3Pも5回ほどありました。ハーレムものですが、全員並べての6Pは無し。その他で言えば、小夜子との巨大化セックスといった変わり種もありますが、基本はオーソドックス。服装差分は多め。フィールド変化により海や温泉などでもエッチ出来たので嬉しかった。卑語は少ない。フェラ系より本番重視傾向。もう少し体位が豊富なら尚良かったと思う。


音楽(6/10)
 ボーカル曲はOPのみ。榊原さんの萌えゲー路線ぽい曲調でしたね。BGMは結構な数が揃っており、日常系からハイテンション、しっとり系まで幅広くカバーしていました。


合計(81/100)