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tkktさんの恋する彼女の不器用な舞台の長文感想

ユーザー
tkkt
ゲーム
恋する彼女の不器用な舞台
ブランド
CUBE
得点
72
参照数
1154

一言コメント

絵と声だけで十分に戦える布陣。あとはシナリオの失点をどれだけ抑えられるかに懸かっていたけど、なんとか7回4失点くらいにまとめてくれていて良かった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

グラフィック(19/20)
 ユアダイアリーの頃と比べてエロさも感じました。テカテカした塗りとムチッとした体。ただ、主人公の顔がエロシーンでも入り込むことがあって、しかも凛々しいイケメンというより可愛い系というか……直裁に言ってしまうと、短髪の似合わない典型的な掘られ顔。ちょっと辛かったです。


ストーリー(28/50)
 全体的な構成として、学園祭の演劇と個別内での演劇の二回公演するという形ですが、正直最初の学園祭をメインに据えて書いた方が盛り上がったような気がします。部活存亡の危機を部員が一致団結して乗り越えるって展開をサラリと終わらせるもんだから、その後の日常が消化試合というか燃え尽き症候群というか、中だるみの大きな原因になってしまったように思います。

 次に個別の内容ですが、総評としては全ルート一応は演劇に絡めたお話が作られており、一定の評価は出来ますが、細かい部分では不満もそれなりにあり、素直に良作と言うのは憚られる出来でした。

 真優ルート
 主人公が将来への不安に焦りだし、脚本家を目指そうと言う内容ですが、その契機が周囲の大人の働きぶり、プロフェッショナルぶりを見て、というのはちょっと理解しづらい。文化祭の劇を通して脚本の楽しみを見出したと言う方が良かった。さらには、裏には真優を役者復帰させたいという願望も見え隠れしていて、何かいやらしいなと思ってしまう。というのも、彼が演劇の世界に飛び込むなら、彼女も追いかけることは確定的に明らかなワケで、何か退路を断つようなやり方だな、と。しかも相談も何も無しっていうのも印象よくない。まあ主人公の側からしても自分に依存するばかりに天才の道を曲げてしまった据わりの悪さを感じていたようだから、同情の余地もあるけどね。勝手に依存している真優ちゃんも悪いって話だよね。恋なんて言わばエゴとエゴのシーソーゲームですしね。ただ一番の被害者は演劇に真摯に携わる人達だよね。結局最後まで、「イチゴと一緒なら我慢できる」という言葉通り、彼女の芝居は外には向いておらず、承認欲求の対象は主人公のみというスタンスは変わらなかったわけですから。

 千奈ルート
 途中放棄。他ルートでは好意の自覚が早い主人公がこのルートだけ異様に遅く、千奈自身も共通の好感度がリセットされたかの如く、一向に進展しないまま、執筆活動の肥やしのためにカラダから入る展開。嫌いです、ええ。ドキドキする、特別な感情→でもまだ恋かわからない→フェラされる→気持ちよかった。ドキドキした→けどまだわからない、気持ちを整理しなくちゃ、というループにゲロ萎えしました。

 百花ルート
 このルートも初体験がよろしくない。主人公の独善的な思いやりから、中々セックスへと至らず、焦れたマリアさんが参入して3P。こういう変則的なエッチは二回目以降にして欲しいなってのは正直な所。他はまあ無難な出来。

 アリスルート
 一番よかった。学校に犬連れて来て怒られないエロゲ特有の緩さって好き。


エロ(18/20)
 想像以上に力入ってた。主人公の顔入り以外は良かったと思います。連戦も多く、射精カウンターやBGVなどシステム面も充実していました。主人公のチンコがやや紫がかっていた以外は良かったと思います。


音楽(7/10)
 OPは真優ちゃんの心情に沿ったような歌詞作りで、EDの方が好きだったかな。BGMは落ち着いたものが多くて作品の雰囲気にマッチしていて良かった。


合計(72/100)
 
※作品の感想になっていなかったので、書き直しました。やっぱりホロ酔い状態で書いてはいけない(戒め)