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tkktさんのはぴねす! えもーしょんの長文感想

ユーザー
tkkt
ゲーム
はぴねす! えもーしょん
ブランド
ういんどみるOasis
得点
80
参照数
1286

一言コメント

10年経てば色々変わるものですね。長文内はキャラ設定のことや、萌えゲーにおける男友達ポジションの立ち位置の変遷とか、つまらない駄文を書き連ねてます

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

グラフィック(16/20)
 まあ時代を感じてしまうのは仕方ないんですが、それにしても腕が長いw表情差分も一昔前のギャグ漫画を彷彿とさせるけど、エモートの動きと相まって不思議とコミカルかつ可愛らしく仕上がってた。魔法エフェクト等はこの年代にしては相当頑張っているんじゃないかと。


ストーリー(37/50)
 みんな良くも悪くも奔放で遠慮のない性格で、最近の萌えゲじゃあんまり見なくなったキャラ設定だなと思う。
 例えば。杏璃ちゃんなんかは、腹が立てばドツくし、罵声は浴びせるんだけど、主人公も負けてなくて、流石に殴り返したりはしないけど、がっつり言い返すし、結構意地の悪い仕返しもする。必然、喧嘩は絶えないわけですけど、罵り合い、けなし合いながら、でも何故か当たり前みたいに一緒に居る。こういうキャラ造形でしか生み出せない距離感だよね、こういうのって。ここら辺で温故知新の気持ちにならんでもないけど、反面、距離が近すぎて鬱陶しく思うところも。
 春姫ちゃんルートでは、付き合い始めた主人公たちを皆で面白がって追い掛け回したり、本当に遠慮が無さすぎて閉口する場面もあったわけです。付き合い始めのナイーブな時期だし、しばらくそっとしておいてやろう、とはならないんですよね、この仲間たちは。でも上手く溜飲さがるのが、春姫ちゃんもまた仲間たちに遠慮がなく、電撃魔法で撃退しちゃうんですよね。一見お淑やかキャラの彼女ですら、腹が立てば、ああいうことするんですから、彼等は本当に気の置けない仲間達なんだろうなと思う。当たり前だけど、密な人間関係を築いていると、良感情ばっかりで済むものでもなく、悪感情も飲み込んだりぶつけたりしなくちゃいけない。それでこそ、本当の友達なんだなって、読む方も納得しやすい。最近の萌えゲーはここらへん、あんまり意識してなくて、むしろこういう不快要素の種は摘んで回って、プレイヤーにおもねることが第一義になっている現状……を嘆きたいわけじゃなくて、単に時代の変遷に沿った変化ですから是非もないってのが正直な感想です。
 何故なら、こういったキャラ設定の弊害ってのが、確かにあって、それは現在の感覚では許容が非常に困難だから。
 女の子のキャラならね、可愛いワガママで済むことも多々あるし、ちょっと下品な話、少々の不満はおまんこで晴らすことが出来る。どうせ最後には主人公に股開くんだから多少のことは目を瞑ろうじゃないかという意識が働く即物的な生き物が男ってもんです。そう、消化できるんですよ、女の子ならね……。
 歩く弊害・高溝八輔の登場から、一時間の経過を待たずして僕は彼の音声のみミュートにしました。彼の奔放さ、遠慮のなさは、性欲とも結びついていて、女性キャラと見るや誰彼構わず言い寄り、あまつさえスキンシップまで図ろうとする。全部殴られて止められているってのは結果論で、彼がセクハラをセクハラとも思わない人種だということに変わりなく。年々厳しくなるハラスメントへの風当たりを思えば、このキャラが時代にそぐわないのは明白なことかと思います。
 加えて、彼にはプレイヤーの優越感を煽る役割もあったのかなって推測しますが、これもそろそろトレンドからは乖離してきている役回りっすね。ときめも2とか思い浮かべるとわかりやすいけど、男友達が主人公と対等で女の子を奪い合うってのが平然と行われてた時代の名残もあったりなかったり。ただ「はぴねす」発売年くらいには恐らく寝取られはNGの風潮は既にあったと思うので、それらが合わさって、方々ちょっかいは掛けるけど、恋愛面では対等に立てず、主人公には絶対に敵わない悲しきピエロが生まれたんじゃないかと。更に時を経た10年後、現代の萌えゲーでは特殊性癖だったりホモくさかったり、主人公の競争相手になりえない設定にしていたり、もはや存在自体消されているゲームも増えてきてますよね。優越感とかいらんから、家に帰ってまで競争とかギスギスとか見たくないからってユーザーの方が多くなってきているんでしょうかね、かくいう僕もそうですし。まあ繰り返しになりますが、時代の流れっすね。そういう風に思えば彼も時代の潮流の被害者って言い方も出来ないこともない気がするわけで、ウザイからってミュートってのは大人げなかったかなって思う。後で音声復活させるか……あ、アンインストールしてしまってたわ、すまんなハチ。

 男のサブキャラについて長々書いておいてストーリーに関しては全く触れてないけど、まあ……いっか。長くなりそうだし。


エロ(18/20)
 立ち絵のある女性キャラとは全部セックスさせるって姿勢はすばらしいよね。3Pも大量で、ファンディスクってのはかくあるべしって見本ですよね。りらっくすによる加点が大きくて……そうそう、点数に関しては全項目ふたつのゲームの合算、調整でつけているので(コスパとかも加味してね)ちょっと甘めだと思います。で、何の話だっけ、おっぱいチュパチュパCGが多くて幸せって話でしたね。最近のゲームならママンたちのシーンには授乳手コキもあったかもしれない。時代が悪いよー時代がー。


音楽(9/10)
 ZEROはいわずと知れた名曲。エレガらしい疾走感と爽快感が心地いい。りらっくすのOPもゆいにゃんの電波って感じがすごくしました。 


合計(80/100)