久々に激かわ実妹ツモりました。気安い兄妹としての日常と恋人としての非日常を無理に分けずに混ぜ合わせた距離感が絶妙でニヤニヤ出来ました。また他ヒロインにしてもシンプルながら分かりやすい可愛さ属性を強調した子たちばかりを揃えており苦もなくコンプ。改めて王道の強さを見せつけられたような心地です。
グラフィック(16/20)
12年発売という所も考慮すると背景絵は十分な出来。量も多かったしね。キャラデザは複数原画の違和感がどうしても拭えず、やや点数は伸びづらい。制服は面白いデザインで結構好きですが。
ストーリー(38/50)
良かったです。「面白かった!」というタイプのゲームではないですが、堅実な癒しと萌えがあり、求めていたモノを間違いなく提供してくれる安心感も嬉しい。通い慣れた定食屋のような。
さて、今作のシナリオですが。共学化の影響でとみに風紀が乱れた学校の現状を憂えた学園長の鶴の一声で、模範的な純愛の形を探り生徒たちに範を示すべくラブリースマイル活動並びにその委員選定が発表され、予定調和の如く主人公とその周辺を賑やかすメス達が餌食として選ばれます。その中から誰かをパートナーに選んで活動をやっていって下さいという筋。
まあ無理くりというか、こんな事で抑止力になるのかとか、色々ツッコミどころ満載ですが、不思議設定が何故かまかり通るというのも、萌えゲーらしいっちゃ萌えゲーらしい。ここら辺を大らかに受け止められないなら、この手のゲームそも向いてないって話になってしまうんですかね。
ともあれ、そのような感じで物語は進むんですが、とにかくこのラブスマ活動ってヤツが、女の子の照れ顔を引き出す事だけに恐ろしく特化していて、何一つ包まずに言うなら合法セクハラなんですよね。もちろんヒロインたちが本気で嫌がるような事は絶対にしないし、本物の恋人同士でしかしないこと(唇同士のキスやセックス等)もやりませんが、手を繋いだりハグしたりといった軽度のスキンシップを図り、赤面を引き出すくらいのセクハラは許されるという格好です。これがね、本当に初々しい反応を見せてくれて、いちいち律義に照れてくれて、可愛いんですよね。ここまで彼女たちが照れるのは、行為自体に慣れていないからだけではなく、主人公に自分が選ばれているという前提も影響しています。つまり「君にセクハラしたい」と言われているのと同義、という事ですね。僕が若い女の子にこのような事を言えば全てを失いますが、イケメンかつ憎からず思われている主人公が言えばアプローチみたいに捉えられるワケです。合法セクハラであると同時に合法ナンパとも言えるかもしれませんね。
そして彼女たちのこの照れた反応を見れば大体は心の動きも察っせられるのですが、そこをキチンとヒロイン視点のガーリックトーストで確認する。こういうクドイくらいの丁寧さが、だけど一度見た萌えイベントをリプレイするという事にも繋がり、二度彼女らの可愛さを味わう事が出来る。本当に何一つ難しい事をやっているワケではないんですよね。ただシンプルな「可愛い」を作り出し、丁寧に確認するっていう、それだけ。シンプルかつ明快ってのは万人に門戸が開かれているってことで、王道の強さってのはこういう事ですよね。
こういう王道の筋に、やはりこれまた分かりやすい王道属性を持ったヒロインたちが配されていて、既述した総評へと繋がります。
まあこの評だけで終わっても良いんですが、折角一言コメントでも推したワケですから、水穂ちゃんについて語って行こうかと思います。
元々ブラコンの子ですが、実は秘めたる兄妹以上の感情を持っていた系ではなく、「兄として大好き」が起点のタイプですね。ただ何の因果か、スマブラ活動なる不思議イベント事をやらされる羽目になり、ボデータッチ等が増えていくに従い、次第に兄に異性の体を意識するようになる。そして同時に兄の心境にも変化が訪れる。ただこうして互いに意識し合うようになっても、決定的にギクシャクせずに、兄妹の積み重ねの強さも残ってるんですよね。「お兄ちゃんも男の人なんだよね」「水穂も女の子なんだよな」と思っていても、休日には二人でソファに寄り添って漫画を読んで、いつの間にか同じポーズで寝ちゃってて(ふたりとも可愛い)、そんな兄妹としての日常も見失わない。世の中には異性を意識した途端に強く突き放して「兄妹間の恋愛なんて許されない」というチン毛にも劣る一般論を振りかざして妹を傷つけるようなエロゲも残念ながら腐るほどある事を思えば、恋愛感情を持ちながら妹として可愛がることも出来る彼は正しく評価されるべき。
そして七夕の短冊に吊るした願い事が、兄は「想いを伝えたい」、妹は「兄の気持ちを知りたい」だったワケで、主人公が告白するのが自然な流れとなりますが、そこで期待通りキチンと決めてくれる辺りもスバラ。あーやっぱお兄ちゃんだね、と。晴れて両想いとなった後も、当然ふたりは兄妹としての形も失いません。一言に書いたような、恋人としても兄妹としても付き合っていく時間を丁寧に描いています。
例えば、三回目のエッチに入る流れ。まず二人は恋人同士がするデートをします。恋人らしく楽しんだ後、店を出た瞬間、主人公が言います。「うわ、外暑い。帰ろうぜ」と。妹が同意します。「そうだね」と。兄妹の気安さ、完全に家族間の会話。恋人同士のデートといって、妙に有難がって、肩肘張ったりはしないんですよね。だって有難くないから。いつでも二人はこんな時間を積み重ねてきたし、これからも当然積み重ねていくのを知っているから。だから今日は別に帰っても良いんです。暑いし。次はいつデートの約束取り付けよう? 次いつ会えるだろう? とかは無いんですよ。同じ家に帰るんだから。で、帰った後はソファでまた漫画。くっついてくる妹を兄は暑いと言って無造作に跳ね除けます。水穂ちゃんも傷つくでもなく、確かに自分も暑いなと思い直し、庭で水遊びに変更。じゃれついてる間に、弾みでおっぱいを触ってしまって、そこからムラムラ来たので家に入ってエッチ。家族らしく遊んでる途中で異性を感じたらセックスすれば良いという、恋愛セックスパートナーとしての家族という形で……コレ俺ちゃんと言語化できてるかな? 伝わらないかも。まあダメそうならフィーリングでお願いします。ゴメンね、いつも下手糞で。
二人きりの一軒家で、昼も夜も一緒で、外に出ても帰って来ても一緒で、ともすれば閉じ気味な関係ですが、兄妹恋愛においては自分は内向型の方が好きだったりするので、ここら辺もハマりましたね。一応、最後に友達には打ち明けるというか堂々キスしますが、特に認めて欲しいとは言わないんですよね。そして父親にもキス写真を送りますが、送った後は着拒。愛の宣言はするけど、相手からの返答は期待していない。実はガッツリ二人だけで完結してたりします。好きなんだよ、こういう書き方。兄妹恋愛だけだけどねw普通の恋人同士ならキチンと周りに祝福して貰えよと思うけど。
ほんの十五分程度離れていただけで「寂しい」とメールを送ってくる妹と、それが愛おしくて仕方ない兄は、もうお互いしか無理だし、どうにもならんだろうね。何十年経っても二人で居て、休日にはソファで寝て、盆栽弄って、元気があればセックスするんでしょう。凄く好きなルートでした。俺も凡才だから弄って欲しいけどね、全身くまなく。
エロ(17/20)
メイン五人が四回ずつ。サブ四人が一回ずつ。はつねはミニルート付きだけど、他の三人のサブはエッチのみ。回数は萌えゲーにしては多めだし、エッチまでの流れがとても「日常の中で」を押さえた(上で書いた水穂ちゃんの三回目みたいなのが好例だけど)書き方をしており、シチュ勝ちみたいな面も。思いのほか抜けました。嬉しい誤算ですね。あと、個人的には四回の衣装が全部違っていたのもポイント高い。制服、私服、水着、寝間着みたいな感じで。
音楽(9/10)
OP曲が変態クオリティ。フルで聞くとラスサビの入りエグイ。ED曲はなく、盛り上がり所で挿入歌として入れてますね。こちらはシットリ。BGMは少し弱かったかな。「ラブリースマイル」と「続・ガーリートーキング」くらいしか耳に残らなかった。
合計(80/100)