ブランドがオーガストであるということを忘れた方がいい意欲作にして、シナリオ・世界観に引き込まれる作品だった。
ブランド名がゲームの方向性を形作る業界において、この作品は挑戦作だし、オーガストが底力を見せてくれたと思う。
学園物にファンタジー要素を含めた王道が多いオーガストが、完全なファンタジーにして、浮遊都市の暗い街から始まるのは、発売前からドキドキしたものだ。
シナリオもキャラクターも世界観にしっかり合わせてきていて、CGや演出はクオリティを上げている。
本当に騙された、予想の斜め上とまでいかなかったが、かなり纏まったシナリオができていたし、全てにおいてこのレベルで纏まっている作品は数えるほどだと思います。
エロゲとしても、おまけを設けてシナリオの邪魔をしないでおかずを増やす点、このシステムは非常に良いと思っています。
途中でヒロインごとに、シナリオが分岐する形でしたが、その時点におけるカイムの立ち位置とヒロインとのその後のバリエーションが豊富で面白い。
ヒロインはどれも魅力的で、甲乙つけがたい。
ラストは賛否両論あるだろうし、個人的にもあのキャラが死んでほしくなかったとかあります。
しかし、それも含め作品として出来が良く、2011年を代表する傑作であることは間違いないでしょう。