無窮のきらめき
・ちいさなほしのゆめ
ほしのゆめみと屑屋の物語。最初はゆめみを疎ましく思っていた屑屋が少しずつ心を開いていく過程がてぇてぇ。
あくまでゆめみはロボットとしての職務を全うしているだけだが、荒廃した世界において無垢な優しさが心に沁みる。
短いゆえに心理描写が圧倒的に足りないが、ここまで感動できるのはゆめみの心に裏表がないからではないだろうか。
・雪圏球
世界大戦前の平和な頃のお話。
職務中に原因不明の職務放棄を繰り返すゆめみ。
9歳の少年に求婚され、連れ出されることを待って度々デパートを抜け出してしまう。
結局、その少年はその約束を忘れて人間の女の子と付き合っており約束は破綻するが、その数万年後に屑屋が訪れると思うと感慨深い。
解説員が言った「忘れる人間と忘れないゆめみ、どちらが幸せなのかしらね」という言葉は至言。