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tester6さんの想いを捧げる乙女のメロディーの長文感想

ユーザー
tester6
ゲーム
想いを捧げる乙女のメロディー
ブランド
ensemble
得点
45
参照数
1848

一言コメント

女装物としてのセオリーやお約束が分かってない。何故Hシーンに主人公を映さないのか

長文感想

各キャラの感想なんかは既に他のレビューで書かれてる通りなので割愛。

私が言いたいのは、ほとんど女装物しか作ってないメーカーにも関わらず、何故女装物に必要なものが揃ってないのかということです。
いくら見た目が可愛くても男の子。女子校で生活するには色々と問題が出てきて当然。
更衣室とかトイレとかエロゲならではの描写が可能なポイントは多くあり、実際女装物のエロゲは必ずと言っていいほど出てきます。
なのにこのゲームときたらこの手のイベントを何事もなかったかのようにあっさりと通り過ぎてしまいます。
大きな見せ場の一つであるはずの女装バレも全然緊張感がないままだったし・・・

極めつけはCG、特にHシーンのCGにみさきがほぼ映っていないところです。
女装物エロゲが支持される理由一つは、主人公をヒロインの一人として見れるところにあると私は思います。
普通のエロゲだと無個性の男主人公が出てきてHシーンでは映らないかのっぺらぼうが一般的です。男の顔や尻を見たってしょうがないですからね。
でも女装物は女の子にしか見えない男の子を置くことでこの問題を解決するばかりか、
こんなに可愛いのにおちんちん付いてるんだ!という変態チックな性癖を満たす(或いは植え付ける)ことができるのです。

アンサンブルの乙女シリーズはそれこそ初代からよくプレイしてきましたが、乙女が彩る恋のエッセンスでようやくHシーン中にまともに主人公が映るようになり、
プレイ内容もお姉さんキャラに授乳手コキされる主人公など変態チックなシーン(褒め言葉)が登場し、
そのファンディスクではさらに多くのシーンで主人公が映り、内容も野外で乳搾り手コキや女物の水着を着せてHなど、”吹っ切れた感”がありました。
ようやくニーズが分かってきたんだな!とガッツポーズを取り、喜び勇んでこの乙女のメロディーを手に取ったんですが・・・

まさかの逆行。まさかの後退・・・せっかく分かってきたと思ったのに完全に振り出しに戻っていました。
顔も体もほぼ映ってないし、プレイ内容もフェチズムをまったく感じない。挟んで咥えて挿れるだけのありきたりな内容。
何故今回ブレーキを踏んだのかまったく分かりません。可愛い女の子にしか見えない男の子がヒロインに手コキされてトロ顔になってるCGなんてキモいから?
それこそ今更でしょう。女の子にしか見えない男の子が女子校に潜入とかイカれたゲームを作っておいて、何故一般的なエロゲの「Hシーンに男が映ってると萎える」という意見を持ち出すのでしょうか。

女装物は主人公がヒロインの隣に並んでこそだと思っている私には、本当にがっかりな出来でした。
この方向性は製作サイドの心変わりなのか、ユーザーアンケートの結果なのか分からずモヤモヤします。