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tearoseさんの魔法少女消耗戦線 DeadΩAegisの長文感想

ユーザー
tearose
ゲーム
魔法少女消耗戦線 DeadΩAegis
ブランド
metalogiq
得点
85
参照数
505

一言コメント

エロゲ版女工哀史

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

女工哀史とは近代日本の国策により製糸工場での労働に従事した女性たちの歴史を指す。
故郷にいるより出稼ぎに出た方がマシという女工たちの賃金は技能により分けられており、労働環境は劣悪で亡くなる女工もいたという。
このゲームの中の魔法少女たちのようではないか。

主人公みのりは幼い頃、魔法少女こと特殊戦技兵の英雄リゼットに助けられた事から特殊戦技兵を目指し士官学校を出る。
恋心を寄せた光臣に想いを告げぬまま、人類の敵エイリアンC.Cの生息する宇宙へ旅立つ!
という青春SFもの。

ビジュアルはそれぞれのキャラの内面などを表わしており派手かつ個性的だが、それ以前になかなかエッチで良い。
特に主人公の特殊戦技兵装(魔法少女服)の露出は激しく、本人は堅物でも「実はどスケベなんだろォ」とばかりにセクハラされるのもやむなし、といったデザインになっている。
このセクハラ、パワハラ当たり前の前線基地で敵と戦い、えっちな訓練に耐え、職場環境の改善に頑張る主人公のエロがメイン。
ネタバレレビューの前に書いておくが処女は主人公だけなので、ヒロイン全員処女でないと無理な人は手を出さない方がいい。

設定上エロと結びついた戦闘シーンが優秀で宇宙で性的に感じながらの敵とのバトルがエロ可愛い。
ただし演出そのものが弱いのが残念。
ここに力を入れるともっといい作品になっていたはず。

エロシーン自体は触手から人体改造、輪姦と何でもアリ感漂う本作だが、物語の必然で日常的に繰り返される事もありマンネリ化していく。
まさに身も心も消耗し尽くされていく訳だが、実はここに伏線がある。
それはプレイしてからのお楽しみ。

√は二つ。
物足りなさもあるが、物語やしつこいエログロの割りに爽快感のあるエンディングで、暗いシナリオが続いても最後までプレイして良かったと思わせる。
またラストの方はビジュアルも見もの。
途中で辛くなったら宇宙規模の物語らしい壮大な迫力ある何かや美しさを期待してプレイするもよし。
カタルシスというより、どちらの√も主人公の成長を感じさせるものなっている。

伏線を張ったまま描かれなかった√や、その他不足を感じた某キャラのエロシーン、CCなしのキャラクターなど残念な部分はFDで補完されている。
これからプレイするなら本編+FDのCathedral Editionがおすすめ。