良作
お金のためレンタル彼氏のアルバイトを始めた主人公。
「レンタル彼氏」を利用した絵未。
絵未の親友で、主人公にずっと前から片思いしていた八純。
本作の根幹・出発点となったアイデアはこの3人の関係でしょう。
椿先生、ちなつ&こなつは、多分、コンセプトに合わせて作られた数合わせです。
ネタのためにはエンジンにまで手を入れることを厭わないアサプロですが、今回のはまた心憎い。
絵未と八純の二択の場面で、テキストの選択肢でなく、
二人の少女がそれぞれ手にした、通帳と10万円をクリックさせるというもの。
マウスカーソルを合わせると、夜の闇の中に通帳と10万円が、淡く光って浮かび上がります。
でまあ、通帳も10万円も同じ意味合いだし、ここでは悩みましたが
八純が主人公の目の前で長年の想いを全部打ち明けたのに対して
絵未の気持ちってほとんどが絵未視点で描かれてるので、
プレイヤーとしては甲乙つけがたくとも、主人公としては絵未の気持ちを知る由もなく、八純以外ないかなと。
八純が主人公の金銭への執着を理解して10万円を差し出してるのに対して、
絵未が通帳を差し出してるのは自分本位の単なる覚悟でもあります。
前作「かりぐらし」では鳴りを潜めてましたが、アサプロのシリアスが復活したのが◎
いいシナリオは濃ゆくて密接な人間関係の上にできあがって、シリアス展開は表裏の関係ですね。