二女のメープルと三女のシナモンをメインヒロインに据えた本作。メインヒロインは勿論のこと、それ以外のネコたち(ショコラ、バニラ、アズキ、ココナッツ)にもしっかりと光が当たっている。テキストウィンドウ上のキャラ立ち絵をEmoteで動かしたり、うつむいたりはにかんだりといった表情も豊かにEmoteで表現されており、どのキャラも可愛く魅力的だった。ボリュームは、体感的には前作Vol.2の3割増しで、満足感たっぷり。 長文感想はアズキの可愛さについて。
(2017/7/3 一部事実誤認につき訂正)
さて。
前作Vol.2をプレイして、アズキのぐーたらだけど気が回っていてしっかり者の点や、主人公が好きだけれども自分でもその気持を認められずにギクシャクする点が大好きになってしまいました。今でも好きなエロゲヒロインBest 3 に入っている長女のアズキですが、前作をプレイした心残りは、ようやく主人公と恋ネコになったアズキの可愛さを十分堪能できなかったことでした。前作では、主人公に自分の好きである気持ちを伝えて恋ネコとして初Hをして、甘々な添い寝をしたら直ぐエンディングを迎えてしまいました。添い寝のシーンは十数回再プレイしたほど至高の甘さでしたが、それだけ周回してもアズキが可愛く甘えるシーンが1つだけとは物足りなく感じていました。
今作Vol.3はメープルとシナモンがメインの話なので、アズキは脇役で大して活躍しないだろうなと(勝手に)諦めていましたら、想像以上にアズキが活躍していて甘々で、大歓喜しました。
ゲーム開始早々の4匹の恋ネコが主人公に甘えるシーンでは、素直になれないアズキなりに甘える姿が見えて、思わず溜息が漏れました。アズキの甘え方は、素直に大好きであることを表現するのは恥ずかしいけれど、好きな気持が抑えられない様子が強く伝わってきて、見ているだけでニヤニヤが止まりませんでした。
また、アズキがメープルやシナモンが悩んでいることに真っ先に気づき、主人公に相談する点も頼もしかったです。普段は「タカビーのプルメー」「おっぱいキャットのモンシナ」と口が良くないアズキですが、妹たちのことをしっかりと見ていて異変に気づくところがとても安心できます。そして、気づいた違和感をすぐにネコたちの主人である主人公と共有する点が二人の信頼関係の深さを見せつけます。アズキの妹思いの点とすぐに報告を上げるしっかり者の点、さらには主人公との信頼の深さを表す、アズキの魅力が詰まったとても素敵なシーンでした。
本作でアズキの可愛さが最も表現されていたのは、主人公とココナッツと一緒にアイスの食べさせ合いをしていたシーンでした。
自分のアイスを、恋ネコであるアズキとココナッツにあーんをして食べさせようとする主人公(自分から恋ネコに率先して与えようとする姿勢が素敵!)。素直なココナッツは「わーい 嬉しい!」と飛びつき「食べさせてもらうと2倍おいし~」と正直に喜んでいました。一方アズキは恥ずかしがって遠慮していましたが、主人公とココナッツに押されて食べるのですが、伏し目がちに食べると照れながらも美味しいと言い、直接ではないけれど「食べさせてもらっておいしい」という様子が可愛すぎました。加えて、お礼として自分のアイスを主人公にあげたアズキの行動も素敵でした。感謝を言葉だけではなく行動で示す大人びた点や、好きな相手にお礼にあ~んするほど食べさせてもらえて嬉しかったアズキの喜びが感じられ、メチャクチャ頬が緩んでしまいました。また、その後の「(あ~んで食べさせるのも)悪くないな」とつぶやくように言うセリフは、素直でないことの多いアズキの本心が聞けたようで、思わず目を細めてしまいました。
加えて、これら一連の流れがテキストやセリフだけではなく、伏し目がちな表情、目を逸らす照れ顔、小さく微笑む顔や恥ずかしがしながらも喜ぶ顔など、Emoteで表情豊かに表現されていて、本当に可愛かったです。
主人公とアズキ・ココナッツが添い寝をするシーンでのアズキのジト目も、主人公にいいように弄ばれることに納得いかないような我の強さと、惚れた方の負けという諺通りになった自分を諦めている感じが滲み出ていて、ニヤニヤが止まりませんでした。
また、アズキが船上パーティー用のドレスを選ぶときのエピソードが狂おしいほど好きです。今作のアズキのドレスは前作のアズキのドレスと同じデザインでした。アズキのドレスは前作とは異なるのだろうかとドキドキしていたのですが、同じデザインでしたのでちょっぴり残念に思いました。ところが、「アズキが自発的に前作と同じドレスを選び、さらにそれを頑として譲らない」というエピソードを加えることで、前作で主人公と一緒にディナーに行った思い出をアズキがどれほど大切にしているのかを表すエピソードになりました。シナリオの上手さに脱帽です。このエピソードが加わることで、アズキの一途な思いが伝わってきて思わず涙が出てきそうになりました。
これほどまでのアズキの可愛さは、テキストに加えて、困ったように小首を傾げる動作や伏し目がちにはにかむ表情などを豊かに演出するEmoteと、ぞんざいな口調ながらも頼もしさを感じさせたり、恥ずかしがりながら甘々な声で聞いているこちらを赤面させたりする、声優の成瀬未亜さんの演技力の賜物です。勿論、さよりさんの低身長でちっぱいでしっかり者のお姉ちゃんという、自分にとって最強のキャラクターデザインがあってこそです。
テキスト、演出、声優の演技、CGの全てでアズキの可愛さに悶え殺されたVol.3でした。次回作のネコぱらVol.4は冬が舞台だそうなので、アズキとのクリスマスデートとか、アズキとの初詣イベントとか、アズキのバレンタインのチョコ作りイベントとかを期待しています!!