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tawakemono666さんの迷える2人とセカイのすべての長文感想

ユーザー
tawakemono666
ゲーム
迷える2人とセカイのすべて
ブランド
Lass
得点
60
参照数
1119

一言コメント

CGやHシーンは良質なのに、シナリオがご都合主義・薄っぺらい・世界観が雑なためにつまらなくなっているゲームだった。シナリオにこだわらず、キャラ萌えできる人は楽しめる...かもしれません。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想



◆ シナリオ関係の不満をあれこれ(一部CGの不満あり)

1. 共通ルートが長い
 フィアルートを除く5人のルートの構成は
   フィアと出会う→学園の七不思議を解く→奈々・ユーベルリートと戦う→『エルフの世界に行き、世界樹の実を手に入れる』
となっている。このうち、小さなイベントの違いはあるものの、『エルフの世界に行き、世界樹の実を手に入れる』以外は共通ルートである。共通部分が長いために、プレイ時間の割に、ストーリー面で満足度が低く感じられた。
 あと、共通が長いところにもってきてSKIP速度が遅いというのも、なんだかなーと思う。


2. 所々に漂う省エネ感
 シナリオや背景などに「手間を省いたのかな」と感じさせる要素がいくつもあった。
 特に気になった点を箇条書きすると
・わざとチェスに負けることで亡霊に成仏してもらう
・無限に近い組み合わせがあるパズルを、友人の友人に頼んで作ってもらったアプリで解く
・抱きしめるCGが用意できなかったのか、立ち絵のおっぱい部分をupして会話を続ける
・エルフの世界の背景画像が学園の背景とそっくり
・エルフの世界の登場人物が、現実世界のサブキャラそっくり(名前まで似せている)


3. エルフの世界観の作りこみ不足
 上の省エネ要素と関係するのだが、ルート分岐後のエルフの世界の状況が、ルートごとに異なっているというのはいただけない。
 例えば、奈々ルートでは、世界樹の実のことを知っているのは神官・スバルだけで、世界樹の実は心が清らかでないものが触ると砂になってしまうという。
一方、桃華ルートではスバルは医者見習いで、世界樹の実は誰が触っても砂にならない(そんな設定の説明すらない)
という感じ。
 それぞれのキャラに相応しい物語が展開されるともいえるが、設定がこうも異なっていると、エルフの世界にはしっかりとした設定はなく、キャラを動かすための便利な舞台装置程度の価値しかないのかとも思ってしまう。

4. 薄っぺらいキャラクター
 これは物語中盤で特に感じた。箇条書きすると以下のような感じ。
・奈々が自分の寿命を縮めてまで桃華を強くライバル視する理由がぴんとこず、説得後はそれほどライバル視しているように感じられなかった
・フィアを殺そうとしたユーベルリートが説得であっさりと改心してしまった
・鈴蘭ルートでの意見対立のときに、話を聞く耳もたないといった幼稚な六連星や広原の言動
・「聞かれなかったら」というとんでもない理由で重大な情報を話さない桃華


以上、こんな感じで1つ1つは小さいかもしれないが、
「ご都合主義すぎないか?」「この行動は幼稚ではないか?」「その情報早く話してよ!」「世界観が雑だなぁ」「キャラや背景、手抜きかよ。。」
と文章を読み進めていくと次々に不満点に目がいってしまうシナリオだった。





◆ Hシーン, HCG
 キャラの日常の行動はツッコミどころがありましたが、Hシーンは良かった。
 お気に入りは 桃華、奈々、鈴蘭 の順。
 本作のCGは光沢が多いため、汁がとってもエロティック。

・Hシーン
 フィア 1回、乙羽・鈴蘭・桃華・奈々・広原 それぞれ2回、エルフたちとのハーレムもどき 1回

・HCG
 フィア 4枚、乙羽 5枚、鈴蘭 4枚、桃華 6枚、奈々 5枚、広原 3枚


ただ、1人2回のHシーンというのは物足りなく感じたので、攻略キャラを減らして、1人あたりの数を増やしてほしかったなー、とも思った。