鬼作指定。膨大なボリュームを持つ一方で、全く無駄を感じさせないシナリオにはもはや絶句。そして月姫に無いものが全て揃った感じが…
その業、圧倒的。
もはや何を語るにしても相応しい言葉を捜すのが大変。
奈須きのこ氏のテキスト&シナリオはとにかく凄い。月姫からこっち、さらに磨かれた感さえ感じた。
そこに加えて、グラフィック、サウンド、演出も非常に上質。特に演出に関してはそうそうこの作品は越えられないだろうと。
そして膨大なボリュームを誇るにも関らず、どこにも「緩み」がない。
ギッシリ詰まりに詰まった上でのこのボリューム。
なんというか、文句を言いたい場所が見当たりません。
ちょっと主人公にクセがありますが、これさえ受けいられる人なら問題なし。もうとにかくやってください~!
2007/2/9追記(ネタバレ感想部分含まない):
今更に振り返ると、各ルートでの共通展開の無さはヤバいですね。
コンプするまでの各展開、(BADエンド埋めとかはともかくとして)全て新鮮に感じれたというこの事実。まともじゃないかと!
あ、割と関係ないですがFate/Zero面白いですね。
イリヤって18歳らしいですよ。どうする兄さん!
(以下、各ルート&キャラ感想。ネタバレっぽいので、万が一読み進めちゃう場合にご注意下さい。)
【Fate】
初回ルート。とはいえ何ですかこのインパクト!
まぁ初回という事だからかもですが、最も理解しやすい、シンプルなルートですね。いや、あくまで他に比べて。
結末からしても、もっとも完成度が高いというか。さすがは正ヒロインルートという感じ。
終り方だけ単純に取ればこのルートが一番良かったかもしれないですね。非の打ち所が無いというか、すげー綺麗に終わります。
最後に別れで締めくくるからこその、これ以上なく高潔な終わり。そこに後悔の入る余地なんて無いというか、なんというか。
とにかく終わりがお気に入りなんですよ!(何)
【Unlimited Blade Works】
凛ルートと見せかけて、その実主人公ルート。個人的には一番響いたルートですね。
やっぱこれですよ。形而上学的葛藤無くして感銘成らぬ(おい)
このルートを攻略していくと、ようやくイマイチ掴みきれなかった主人公の中身が分かってきます。その葛藤。答えの成る成らないでなく、それ自体の意味。
欠落と追求。
結論と結果。
このルートがその「道理」に対する意味を強く持っている事がとにかく素晴らしいですね。
ああもう、結局ワケ分からん感想になってもた…
【Heavens Feel】
一般的に評価が低いシナリオ。が、これを以って話が全て網羅される以上、これは蛇足ではなく絶対に必要なルート。
このルートでようやく全ての謎に光が点ります。
そして、最も複雑な確執の多いルートであるのも特徴。そういう意味で一番難解なルートですかね。
そして最も話が壮大なルート。
まぁ、何ですわ。キャラの立ち具合は霞む程のお話なので、そこが勿体無いというか受け入れられないのかなぁ。俺は全く不満ないんですけどね。
何はともあれ、最後がちょっと拍子が抜けるとしても、やっぱこのルートやらないと完結しないんですよね、Fateは。だから大事なルートだと思います。
どーでもいいけど最後にゼルレッチ爺さんが出てきたので評価高し(ぇ)
続いてキャラ話。こちらは完全ネタバレご容赦。
【衝宮士郎】
嫌われがちな主人公。でも、彼に感情移入出来ないというのは当たり前の事なので、それで嫌いというのはちょっと的外れな気も。
だって彼、冒頭で自身で言っている通りに、10年前に「心が壊れた」人なので。性格は再生してるけど価値観が崩壊してる感じですよね。
そういう「極端な主人公」の成長…もとい、「人間らしくなっていく様」を見守るのがこのお話だと自分は思ってます。特に凛編はそうですよね。だから自分と対峙しなくちゃならないワケです。
タイガー道場SPでも語られているように、Fateは間違いなく士郎のストーリーだと思います。彼に拒絶反応を示しちゃった人も、なんとなくそういう所に注目しながら再プレイとかして頂けたらいいなぁ、とか。夢想。
【セイバー】
うむ。確かに良い(ぉ)
シオンなんですね、ようするに。似通ってる部分多いです。オプションに食事ネタ。
セイバールートにグッドが無かったのは個人的に良です。彼女はあの生き方を貫いて是とするからこそ、彼女にあの儚い美しさが宿るのですから。うむ。なんだこの自己陶酔文。
【遠坂凛】
連れてって!!(何処へ)
なんかお姉さんキャラっぽいのに妹属性持ってませんかこの人。ダメだ。負けた。
Fateも月姫に同じく、魅力的なキャラ尽くめで誰かをひいきにって難しいんですが、とりあえずイリヤと同一首位で。
なんかこの人、メインヒロインで一番、ストーリーの核に入れなかった気がしなくもないですが、出番は多いからOKっしょ!
【間桐桜】
まとうって読むのかコレ!(最初の感想)
まぁそれはともかく、分かりやすいキャラクターでしたかね。悪役としては力があったけど、飛びぬけたモノ無く、後輩としてもいいんですが、目茶苦茶いいかというとそうでもない。
話のあり方として凄惨で、性格的にも中身的にもどこか月姫の翡翠と琥珀を足して割った印象があるこの人。そういう意味で二次的でインパクトが弱かったのか。
ないし、俺の中でイリヤに食われただけ?
【アーチャー】
こんな友人が欲しい。
ていうか、男は捻くれててナンボだろ!?(違)
衝宮とエミヤのやりとりは、いつも印象的。
【ランサー】
だってクーフーリンだもん。
女神転生で愛着あるヤツの登場にタジタジる。しかも非常に好印象。格好いいですねこの人。
もうちょっと活躍をいっぱい見たかったなぁ。
【バーサーカー】
漢。とにかく漢。
常に暴走状態を描写されて不幸極まりないけど、それゆえ彼の漢度は増す。
そしてゴットハンド強っ
【キャスター】
うぉう、彼女のストーリー見たかったです。ホロゥやればありますか~!?
ローブの内側を立ち絵でみてぇ。
ローブの内側を立ち絵でみてぇ。
追記、ホロウで見れました。
でもウェーブの凛には負けてました。
【アサシン】
微妙に満足な出番が無いように思えるのは宝具がないからか。
もうちょっと活躍して欲しかったなぁ。この人も格好よかた。
【ライダー】
思わぬ伏兵。ラストの私服姿は結構ビビらされたぞっていうかあのメガネ魔眼殺しなの?
1、2周目で痛い思いさせられる分か、なんか桜ルートの時には変な安堵感まであったり。「良かった、やっぱり君はいいコだった」みたいな。なんか変だけどっ!
以下、そのうち続筆予定。
ところで月姫ワールドとFateワールドは同一世界のような並列世界のようななワケですが。これってようするに「魔法使いの夜」という作品の世界なんですね。
この世界全体を纏め上げる大作をいつか仕上げてくれないかなぁ、と希望を抱いてる今日この頃、でした。以上。よくわからん纏め。