エウシュリー版「大帝国」とでも言うべき作品。見るべき点は多くあるが難点も多い。総合力はあるのだが、物量に見合うだけのゲーム性が無いのは正直なところ印象があまりよろしくない。
世界観を整え、シナリオプロットを整え、ゲームシステムを整え、ゲームを彩る為の物量を十二分に用意した。ゲームバランスも整えた。
だが、肝心のゲーム性が広がれていないため、無駄な作業感と徒労感がどうしても目立ってしまっている。
ゲーム性を広げるのは色々な意味で困難なことであり、特にゲームバランスの崩壊やら齟齬やらを招き易いので、簡単な注文ではないのだが、少なくとも作品全体として「いいバランス」を保てていないのは無視していい問題ではない。
内政はまだしも、戦闘はほぼこのゲームの中心要素であるだけに、もっと力を入れるべきだった。
そういった作品全体への愚痴を除けば、大体はいい感じに仕上がっているとも思うんだが。絵と音のクオリティは間違いないし。
特にシナリオ面は、最近のエウシュリー作品と比べて大分よい(相変わらずテキスト合わせやや安易感があるが)。
個人的カテゴライズとしては、良作一歩手前。
基礎スペックの高いメーカーだけに、勿体ない。あと一歩半の前進に期待したい。
とてもとても余談だが、私はヴァイス元帥よりは東郷長官に好感を覚える。
まあどっちも完璧超人なんだが、苦労が見えるか見えないかの違い。
完璧超人が苦労してたって、それフリみたいなもんだからなあ