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tanukickさんの彼女と俺の恋愛日常の長文感想

ユーザー
tanukick
ゲーム
彼女と俺の恋愛日常
ブランド
Parasol
得点
80
参照数
1063

一言コメント

妹ゲー。甘々と切なさの恋愛日常。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

一途な恋愛と普遍的な心の問題をテーマとしたキャラゲーで
シナリオもテーマにしっかり焦点が絞られていて、ブレがなく分かりやすいしテンポ良く楽しめた。

恋愛については「イチャラブ気持ちええわ~」だけでなく
後ろ髪を引かれるようなシーンが大なり小なり結構あるので
そういうのが苦手な人は避けた方がいいかも知れない。

個別は各ルート、それぞれ異なる恋愛で色もハッキリしていたが
妹ルートが最も出来が良くて楽しめた。

【キャラ】
立ち絵が可愛い。声優陣も良い。背骨もしっかりしている。
各キャラの配役も明確で分かりやすい。部長を攻略出来ないのが辛い。
主人公は例の如く恋愛に関して鈍感だが、それも学生相応の範疇だったし
話が進めば学んで成長していくので、見ていてイライラさせられることは無かった。

【エロ】
萌えゲーとしてはHシーンは多めだが、やや唐突に始まる事が多い。
Hシーン中のテキスト量は十分。お漏らし全員完備も嬉しい。妹がエロい。

・以下はシスコンによる妹ルートの感想。ネタバレあり。

【素晴らしき兄妹愛】
妹は大天使。とにかく可愛い。お兄ちゃんと呼ばれるだけで飯が三杯食える。
それだけでなく、日常の積み重ねが丁寧に書かれていたので
話が進むにつれ兄妹の絆を強く感じる事が出来て、イチャラブにも飽きが来ない。
そして積み重ねがあったからこそ、見せ場の兄妹が二人三脚で踏み出す成長物語は泣けた。

中でも、主人公が妹にヴァイオリンを弾いて欲しいと告げるシーンは一番泣いた。
自分の気持ちが完全にお兄ちゃんとなり、主人公が涙を流すタイミングと完全にシンクロして泣いた。

【兄妹愛の覚悟】
選ばれなかったヒロイン達の想いを振り切り、妹を選んだ主人公の覚悟を演出したのは大変良かった。
そして、その覚悟の積み重ねが2人だけの結婚式となる。これは当然の結果だった言える。

【バランスの良さ】
この妹ルートは本来ダントツに重いシナリオなのだが、キャッチーな言葉遊びによって
重さを緩和させながらも、心情を強く印象づけるのが、とても上手いと思った。

【部長】
いわゆるフォロー役で、主人公をいつも見守ってくれる優しいお姉さんだが
妹ルートだけは主人公が部長の手助けを必要としておらず
部長との距離が徐々に開いていきフェードアウトしていくのが切なかった。

また、他のヒロインと恋人になった際は、セックスの事までいじってくるが
兄妹の関係については踏み込んでこず、それとなく応援するだけ。
こういった細かい部分でも、兄妹愛の重さを演出していたのは良かった。

・その他

【金髪ロリ】
天使。可愛い。道着姿はもっと可愛い。
シナリオは主人公とアリスの設定を上手く絡めた学園モノらしい話で、読後感も良い。
優しさと不安の日常の積み重ねがあったからこそ、アリスが全てを打ち明けるシーンは泣いた。
その山場の後にもイチャラブがしっかりあるのも良かった。

【幼馴染】
長年熟成してきた愛の重さは妹と同等なのだが、こちらの重さには迫力があった。
妹との対決や部長のブラなど面白いシーンは沢山あったが、成長物語の方は薄味だったかなと。
終盤は全員揃ったパーティーがあったり、これから先も皆と繋がりを約束したりと
全てを振り切った妹ルートとは、色々と真逆だったのが印象的なルート。

【アイドル】
アイドルが役者として覚醒するまでの話は面白かったが
終盤は突貫工事で書いたが如く、行き当たりばったりでフワフワしている印象を受けた。