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tanisigeさんのHHG 女神の終焉の長文感想

ユーザー
tanisige
ゲーム
HHG 女神の終焉
ブランド
ういんどみる
得点
85
参照数
188

一言コメント

光理は天使

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

【総評】
この感想は前作HHG(Hyper→Highspeed→Genius)のネタバレも含むため注意。
ていうか完全新作なんて真っ赤なウソなんだから当たり前だよなぁ?

一言でいうと光理・メフィストゲー。というかメフィストも光理なので、まとめて光理ゲー。
光理話をする前に全体的な感想をいうと、基本的にはHHGのFDだと捉えるのがしっくりくる。

前作の設定を色々引き継ぎつつ、似たような構成でキャラだけ変えて展開・・・ということで非常にFD的要素が強い。
これを新作として扱うのは非常に無理がある一方、続編って程の内容でもない(前作ラストへの繋がりはあるが)。
良くも悪くも前作の特徴を引き継いでいるが、前作より良かったところもいくつかある。
光理(メフィスト)を除くメインヒロイン3人は全体的に今作の方が好み。ヒロインは減ったものの
前作はヒロインの数を増やしすぎて、1人当たりが薄くなっていたので、今作くらいで丁度よくなった感じはある。
各ルートの出来も、前作の皐月学園のように出来の悪い√はなく、全√ある程度楽しめるくらいには揃っている。
ただし、明確に悪いと思ったのが締めのTrue√の出来。
色々問題があるが、一番悪いのは女神の小物ぶり。前作のラスボスだった聖女アナと比べるとキャラ的にも弱いし
展開的にも弱いし、そもそも何がしたかったかもよくわからない。
敵役がしょぼいと、必然的にシナリオもしょぼくなる。戦犯女神。
終わりよければ全て良しと言う言葉があるが、それを反転させると終わり悪ければ全て悪しである。

また、前作は一応一貫したテーマとして、ジーニアスがもたらす功罪というのがあったのだが
今作はそれもあまり感じられない。前作もそこら辺は上手くシナリオとして書き切れていたわけではないのだが
今作ではシナリオそのものに内容がない感じである。
従ってキャラゲーとしては前作をやや上回ったが、元々陳腐気味だったシナリオを更にしょぼくしてしまっている、という評価である。

【真妹問題】
前作でも書いたことだが、元々のオリジナルである「本来の光理」が放置プレイを食らったままである。
っていうか、今作で久四郎さぁ、エイプリル√のエピローグで
「光・・・俺が、一人にしてしまった妹。」
「事故。動けなくなった妹。今も目を覚ましていない」
「まさか。光理は。」
「この声を俺に向けている光理は・・・・っ。」

って言ってたよね?最後までお前一人にしたままじゃねぇか。ふざけんな!

実際のところ、今作の「光理」と事故で昏睡している光理のリンクは不明で
昏睡光理の精神や記憶が投影されている可能性はあるのだが
それはそれはとしてもメフィスト√で元の世界に戻ったんだから、真妹のところにお見舞いに行くくらいはあっても良くない?

久四郎は、妹なんてもうどうでも良くなったんだ、とすると
わざわざメフィストや光理(HHGX)が、久四郎の「妹」として降臨した意味が良くわからなくなる。
妹へのこだわりやトラウマがないなら、メフィストも光理(HHGX)も妹じゃなくていいじゃん。
何が言いたいかというと、妹を放置したまま終わるのは妹萌え的に許せない、そういうことです。
でも光理が可愛いので全部許せます。

【光理】
という色んな問題があるが、その全てをひっくり返すほどの魅力があるのが大天使妹光理の存在である。
本作では圧倒的な萌え度を誇るヒロインとして、メフィストと光理がいるが(前作ではメフィストも主に光理と呼称していたので紛らわしいことこの上ないが)
前作の「妹ポジション」だったメフィストは妹キャラとしてやや異色で
それが魅力ではあるものの、純粋な妹キャラとは言い難い。
それに対して本作の光理は、逆に王道妹ド直球であり、前作HHGとは違った妹ゲーとしての萌え欲求を満たしてくれる。
世話焼きで兄を心配する献身さ
控えめながらも兄に常に寄り添う良妹ぶり
笑顔で怒る愛らしさ

どれをとっても聖女と呼ぶに相応しい



光理もメフィストも澤田なつも聖女で天使
ついでに桐谷華も聖女

これだけははっきりと真実を伝えたかった