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tamaki1108さんのハーヴェストオーバーレイの長文感想

ユーザー
tamaki1108
ゲーム
ハーヴェストオーバーレイ
ブランド
戯画
得点
85
参照数
4621

一言コメント

戯画マイン覚悟で突貫したが良い意味で期待を裏切られました

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ARが生活の中で当たり前になっている世界観が現実ではありえなそうでありえるかもしれない未来、そんな世界観が私にはすごくマッチしていてすぐ引き込まれました。
内容に関しては若干キャラゲー寄りですが、シナリオも十分にヒロイン達の魅力を引き出せたのではないかと思います。
ヒロインに関しては文句無しで全員かわぃぃです!!小町がお気に入り。
ただ若干展開の早さがすさまじく、良い意味では中弛みしないのですが、悪い意味ではもうちょっと根堀葉堀下げて欲しかったです。

各ヒロインの√の感想や考察

澄√…最近妹枠は実妹が多いなぁ(困惑) 義理の妹はもう絶滅危惧種なのか?w
内容に関しては他のルートと違いラスボスらしいラスボスがいない実妹との恋のお話ですがハーヴェストというゲームを通じて不完全な愛を本当の愛に育んでいくストーリーになっています。あと澄ちゃん若干ヤンデレでした(歓喜)
恋ってとても大事なことだけどそれが原因で周りの人間との交流を断つのは間違っている、そんなメッセージを受け取ったシナリオでした。

リリア√…期待通り澄へ恋のライバル宣言からの三角関係に突入した!!と思ったらそこまで険悪にはならなかったのが少し拍子抜けしました。
ある意味で王道のお嬢様を助けに行くシナリオでしたが、救出をハーヴェストというゲームのクエストとして
成立させるのはすごく斬新でした。
あとHシーンがコスプレH多めですごくエロかった!(お姫様、エロ水着、魔法少女)
ちなみに夏と冬にどこ行ってんすか?(レンジャー!!)

小町√…巨乳ではない(オブラートに包んだ)小柄な先輩。私の今作一番のお気に入りキャラ。
オンゲで知り合い夫婦になってオフで出会い恋人になる、これからリアルでもそういう出会い増えていくんでしょうね(良いか悪いかは別として)
一人では倒せない相手でも二人なら倒せる、王道のバトルですがやっぱりこういうバトル展開私は好きですw
気になったのは宝剣エクスカ川がいつの間にか剣になっていたことwそしてハーヴェストプレイヤーなら一撃で倒せるバフが付与できるというご都合主義な能力w
まぁ後者のご都合主義はヒーローアニメでのピンチの時に主人公覚醒からの新必殺技みたいに受け取れますが、エクスカ川がいつの間にか剣になっていたのはちょっと説明して欲しかったなぁ。

ゆうか√…他ヒロイン√全攻略から突入可能なこのゲームの真ルート(いちおう途中でも√解放できますが…)
どことなく展開がチームバルドの作品に似ている気がします(ラスボスに取り込まれたメインヒロインをヒロイン全員で助けにいったり、それぞれの宿敵とラストバトルしたり)
私の極論というか強引ですが、雰囲気は全然違いますがバルドスカイの空√に似ていなくもない…(過去にすでに出会っていたとか、ゆうかとローレライの関係がどことなく空とクゥに似ていたり、ラストのゆうかが崩壊するのを(バルドスカイでは甲(主人公)ですが)他の二人の記憶を使って食い止めるとか)
でも1人の人間を「その人」だと証明するのは外見があっていればその人なのか?記憶持っていればその人のか?人格を持っていればその人なのか?という問いもやはりバルドスカイ臭がするのであります…。
まぁほんと強引な自論なのですが…w


つまるところハーヴェストとはゆうかが願ったファーストオーダー「奥野薪人を幸せにする」ということが前提で作られたゲームです。
薪人が他のヒロインとの関係が進んだりすると二人が幸せになれる未来を最善選択能力を使ってゲームのクエストという形で導きます。
なので他のヒロインルートではタイムリーだったり当事者以外誰も知らないプライベートに関係するクエストが最善選択能力によって発生したのでしょうね。
ちなみにこの最善選択能力は無意識に発動してしまう為トランプで大富豪を皆でやった時にチートをしていた澄でもゆうかには勝てませんでした。ある意味澄以上のチートですw

ラストでゆうかが崩壊していくシーンがありますがこれはゆうかの「意思」が消えていくという演出で実際にゆうかの肉体が消滅していっているわけではないと思われます。
ハーヴェストが終わってもゆうかの肉体は残るが記憶や心は無くなると説明があったのでそれはもうゆうかではないと言う意味では消滅といってもいいわけですが。

ちなみに薪人とゆうかが2回目に出会ったとき海に引きずり込んだ巨乳ローレライは一体何者なのでしょうか?
まだこのときゆうかは代理脳ではなく普通の人間の脳のはずなのでアワシマがゆうかの代理脳に入り込んでハーヴェストを作る前です。
本当にただの幻聴や幻想だったのかそれとも本物の人魚だったのか、ハーヴェストを掌握するためにファナが用意したARという線も考えましたが代理脳にアワシマが入り込んでハーヴェストができたのは本当に偶然だったと言っているのでこの線は無いのかなと思いますが…。
私の読解力不足かもしれないので時間あったらまたプレイしてみたいと思います。

総評…ラストのゆうかを助けるために持子(ファナ)と戦うシーンとか結構あっさり決着がつく展開が多いのが少し残念に思いましたが、それでも十分設定や世界観を表現した素晴らしいシナリオだったと思います。
AIがいつか人類を凌駕して支配をする時代が来るというのも現代の科学の進歩を考えたらありえないSFの話ではないのかと思います。
でもAIの発達によって救われた命があったのもまた事実です。結局最後はそれを作った人間、あるいは使う人間で良くも悪くもなるというのがコンピューターやAIなのだとメッセージを私はシナリオから感じました。