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tama3r0さんの見上げてごらん、夜空の星を Interstellar Focusの長文感想

ユーザー
tama3r0
ゲーム
見上げてごらん、夜空の星を Interstellar Focus
ブランド
PULLTOP
得点
100
参照数
354

一言コメント

これはIFの物語。ありえたかもしれないグランドルート。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

 前作まででは、沙夜を振ってひかりを選ぶ、またはひかりを振って沙夜を選ぶだった。ひかりと沙夜は主人公の人格形成に大きな影響を与え、「家族」であった。二度のひかりとの出会いによって主人公の行動が変わることも相だし、祖父を亡くして落ち込む主人公が沙夜によって慰められた事もそうである。
「どっちか選ぶって事は、どっちかを選ばないってこと」
織姫や吉岡、先生は主人公が動いた結果として恋人となるのであり、それは元来、主人公にはそのヒロインを幸せにする義務はないとも言える。(ころなが抱いているのは小学校の時の上級生=大人に対する憧憬であり、恋心ではない)
 しかし、ひかりと沙夜は主人公が動く前から一緒にいて、主人公を動かしてきた側とも言える。それを捨てるというのはどうにも納得できなかった。しかし、このInterstellar ForceがIFだったとしても、これは誰も不幸にならないルートである。
「ずっと今のままでいたい。そう思ってちゃダメなのかな」
 主人公がそう思っていることは分かっていたからこそ、前作までで必ず一方を選ばなければならないのが、いやだった。
「三人の関係のままどこまでいけるか、試してみようよ」
 いにしえの人が、夜空に浮かぶ無数の星から「大三角」を見いだしたのは、それが夜空で最も美しい形だからだ。星はやがて夜空から消えてしまうが、それでも、大三角であった事は、永遠に変わることのない事実なのだ。
「どうせダメになるにしても、ダメになるその日まであがいてみようじゃないか」