あゝ萌えゲー。
「吸血鬼と教会が先導する人間」
激しい戦いを繰り広げた過去、そして共存することで落ち着いた現在。
やりようによっては面白くなりそうなテーマですが、残念ながら生かしきっているとは言えません。
共通では血の契約を建前に、ひたすらデート合戦。
個別ルートに入ってもテーマに深入りするわけでもなく、脱線気味の進行。
それぞれの主義や立場をかけた駆け引きの描写も弱く、ぬるい。
それどころか目の前に立ちはだかる壁には、協力して立ち向かう有様。
長く引っ張るわりには、なんとも薄っぺらく、緊張感がありません。
極めつけは最後のトゥルールート。
吸血鬼の祖であるフィリアが、
「今すべてを明かそう!!」
とでも言わんばかりに次々と設定を出しては、伏線を回収しにかかります。
私は、主人公は、妹は、吸血鬼は、血の契約は、異世界は・・・。
あまりの早さにとてもついていけません。。
テーマが薄けりゃ、見せ方も下手。
トゥルーにたどり着く前に、上手いことストーリーに組み込めばどうにかなったものを。
そもそも血の契約に重みが感じられない点で嫌な予感がしました。
果てしないデート合戦。
そして、その果てに血の契約が結べない事態に陥ってもあっさり引き下がるのですから。
そのうち何とかするって・・・たしかにそうだけどさ。
しかしシナリオを犠牲にしただけあって、萌えゲーとしてはグッドです。
当初は血の契約を結ぶ相手を選ぶだけのはずが、好みをヒロインを選ぶことに。
皆物分りがよく、対立していてもしっかりルールを守って主人公争奪戦。
そこに違和感を感じたら負け。目くるめるデート三昧の日々。
お約束満載でまさにストレスフリー。
キャラ属性もほぼおさえており、みんな可愛いくて萌えます。
お気に入りのヒロインが見つかること請け合いです。
特にメリスの毒舌にやられました。
紫の使い魔はじめ、サブキャラ陣もいい味出してます。
なお、エロに関しては本編で2回、おまけで1回と標準的。フィリアは2回だけんど。
では最後にその他さらっと。
まみず氏のグラフィックですが、非常に安定しています。
てんまそ氏との差が感じられない仕上がりで、絵買いしていいレベルです。
次にサウンドですが、OP・ED曲共にいい曲です。一方のBGMはいたって普通。
そしてCVはもう言うまでもないでしょう。やはり青葉さんのロリボイスはたまらんです。
また、演出やシステムも上々の出来。
特にシステムは充実していて、緊急回避モードまで装備しています。
特に使う機会はありませんが、一見の価値あり?です。
ということで、お手本どおりの萌えゲーなんです。6人書ききったのは評価できます。